第136話─傷と絆─ ページ41
「すみません・・・・・・誰かと人違いしてるのではないでしょうか、私はAでは無いです、早く離してください」
此処に来なければ良かった。首領の言葉なんて、聞かなければ良かった。彼は離そうとしない。そして、自分をずっと見つめてくるだけだった。
「離してください」
そう云ったのにも関わらず、自分の顔に手を近づけてくる。そして、両頬を包んでくる。
「(叩かれる・・・・・・!!)」
そう思った。前に叩かれたから。強くぎゅっと目を瞑った。けど、一向に痛みが来る気配がない。それ所がずっと其の侭。
太宰「叩かないよ、」
その言葉に目を開けた。私を見つめるその目は、確信してる目だった。
太宰「矢張り、Aだったんだね」
自分は、目頭が熱くなって、必死に抵抗するように睨みつけた。
太宰「何か云ってよ、嫌いって云ってもいいよ、死ねって云っていいよ────何か云ってくれ給えよ」
自分は考え込んだ。けど、何か云い返せばそれはAだって云ってる様なものだ。何とか抵抗したい。こんな自分の人生を狂わせた人なんて、兄でもないし、赤の他人だ。
「えっと、誰でしたっけ?あ、太宰さんって云いましたね、太宰さん、私はただ彼処に尋ねた者です。誰かと勘違いなさってるようですが」
敢えて冷たく云う。意外とこの言葉が効いたらしい。兄の手が震えてる。目も泳いでる。一言最低な言葉掛けるのもいいだろうけどなあ。どうしよう。
太宰「ど、して・・・・・・そんな事云うの・・・」
自分はため息を着いて、頬に触れてる手を払って、相手から距離をとる。そして、念の為と腰に差していた銃を抜き構える。
相手は酷く絶望していた。そして、泣きそうな顔をした。巫山戯るな、泣きたいのはこっちだ。
「急なことで戸惑うでしょうが、貴方がしてきた事はこれじゃ済みませんよね?」
太宰「A・・・・・・訊いて欲しい」
「何を聞けと?貴方を殺すのは容易い話です。今すぐ引き金を引き殺すことも出来る。今すぐ貴方を拷 問にかけることも出来る。貴方と話すことなど、何も無い」
太宰「そうしてもいい、だから、訊いて」
「織田作さんを殺された悲しみでマフィアを抜けて私を見捨てたことをですか?身内より立場を超えた友情をとった訳ですよね?だから、今貴方は武装探偵社に居る」
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華紅薇(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです!この話も後編に移りますのでそちらの話もよろしくお願いします!読んで下さりありがとうございます! (2021年10月20日 11時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - この小説本当にめちゃくちゃ大好きです!そして今めちゃくちゃ続きが気になってます、!!なんかキリが悪い所でのコメントですが、応援していることを伝えたかっただけです!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月20日 2時) (レス) @page50 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年9月29日 12時