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第135話─三年ぶり─ ページ40

太宰「ちょっと待ち給え」


腕を掴まれた。その時、全てが崩れるように力が抜けそうになった。そして、過去の記憶がフラッシュバックした。



反射的に、太宰って男の手を振り払い、距離をとった。その場にいる国木田って人と、中島少年も驚いていた。



「ぁ、えっ、と、」


自分は無意識に顔を上げてしまった。その時に、完全に太宰って人と目が合った。自分は直ぐに逸らしてこの場を去った。ちょうど探偵社を出た時の外で誰かとぶつかりそうになった。




「ちょっと、危ないじゃないか」



「す、すみません、」



去ろうとした時に、また誰かに腕を掴まれた。その人は私とぶつかりそうになった人。



「ん?君・・・・・・」




なんか、嫌な予感がした。直ぐに、彼の手を払って、私は謝ってその場を去ることにする。



しばらく離れていれば。




「なんだ、彼の人!怖い、まるで自分を探るような鋭い目、なんでも話してしまいそうになる口調。怖いよ!!何なんだ」




自分の腕を抱えて腕を摩った。怖い。何も出来ずただ一人で騒いでいることしか出来ない。



武装探偵社・・・・・・太宰・・・・・・。国木田って人は確かにそう云った。同じ苗字の人がこんな短い世界にいるわけない。そんな事あったら世間は狭い。しかも、似ているわけない。声も、顔も。



立ち止まった。白い外套の裾を静かに握りしめた。彼の人には会いたくない。


そう云って歩き出した。





はずだった。



気付けば、私は又誰かに腕を掴まれていた。また知らない人か、と呑気に考えていた。



「まだ何か?」



そう云って振り返れば、砂色の外套。自分はうっかり肩を震わせてしまった。



太宰「ねえ、単刀直入に訊くんだけど、君Aでしょ?」


「違います」



太宰「嘘、ねえ、A」


「だから人違いですって・・・・・・」



太宰「A・・・・・・」



「気安く呼ぶな!!」



そう云って、目の前の人を睨みつけた。私の中から、兄の存在を消した。だから、目の前にいるのは質の悪い人間だと云い聞かせた。




私がそう叫んだら、目の前の人間は、目を見開いた。そして、悲しそうな目をしていた。埋まったと思ったモノは貴方がまた掘り返したのだと、だから、全て貴方が悪いのだと。

第136話─傷と絆─→←第134話─再会とは─



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華紅薇(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです!この話も後編に移りますのでそちらの話もよろしくお願いします!読んで下さりありがとうございます! (2021年10月20日 11時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この小説本当にめちゃくちゃ大好きです!そして今めちゃくちゃ続きが気になってます、!!なんかキリが悪い所でのコメントですが、応援していることを伝えたかっただけです!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月20日 2時) (レス) @page50 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/  
作成日時:2021年9月29日 12時

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