第１２６話─悲しみの血─ ページ31
必死に感情を押し殺した。髪が長くてよかった。押し殺した、と云ったが押し殺せていない。涙が溢れていた。声は淡々でも、目から涙が溢れていた。
自分はその侭、何も云わず首領室を出た。そして、自分の執務室に戻った。誰も居ない部屋で、私は悲しさで泣き叫んだ。
「うぅっ、うぁっ･･･････っ、ああぁ！！」
感情の行き場をなくした私は、鏡を銃で割った。すると、鋭い音ともに鏡に亀裂がはいり、破片などが跳ね返ってきた。
鋭い破片が、顔に降りかかる。瞼や、額、頬を切って行った。それ所か、落ちた破片を拾って自分は腕や頸を切った。痛かった。苦しかった。
それでも、血が流れても足りなかった。カッターで腕や足を切り刻んだ。血が流れた。死ねない。
痛い。我に返りそうなのを抵抗した。このまま壊れていたい。そして、死んでしまいたいから。
自分は銃を持っていた。銃を握りしめた。カチャッと金属の音が響き、自分のこめかみに押さえつけた。
兄と仲直り出来たと一人で舞い上がって、そして、嬉しくて喜んだのに、そんな自分が莫迦だった。
兄に棄てられたのなら、この身もこの命も棄ててしまおう。だって、誰も悲しまないから。
最後は自分は目を閉じた。
引き金をいざ引く時。
「A！！！！」
誰かに呼ばれた気がした。それでもいい、きっと空耳だから。引き金を引こうとしたが、引けなかった。動かない。そして、誰かに抱きしめられて銃を奪われた。
躰の力が抜けて、その人にもたれかかった。片目が開けられない。ボヤける目で見ればその声は──。
「ちゅ、っや･･････」
痛みで声が出なかった。そして、すぐ傍には芥川君･･････。
「な、んで･･････」
自分は中也兄さんに抱えられて何処かに連れてかれた。自分は中也兄さんの胸に顔をつけて少し目を閉じた。温かい。
そしたら、どこかに着いたのか中也の慌てる声が響いた。
中也「首領！Aが！！」
その声がした。そしら、椅子を引く音ともに慌てる足音が近づいてきて、自分は目を開けた。目を見開いている首領の姿だった。
森「隣に運びなさい、広津さん、悪いが中也君達と部屋を出て行って貰えないかな」
広津「判りました」
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華紅薇(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます！そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです！この話も後編に移りますのでそちらの話もよろしくお願いします！読んで下さりありがとうございます！ (2021年10月20日 11時) (
レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - この小説本当にめちゃくちゃ大好きです！そして今めちゃくちゃ続きが気になってます、！！なんかキリが悪い所でのコメントですが、応援していることを伝えたかっただけです！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月20日 2時) (レス) @page50 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚Ａｙａ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時：2021年9月29日 12時
