第121話─人狼ゲーム─ ページ26
「途中援護に来てくださった太宰幹部によって任務を遂行させました。私の勝手な行動が招いたことで・・・・・・幹部にお手数をお掛けしてしまいました」
少し、報告書を持つ手に力が入る。すると首領が私の傍に来てくれた。そして、私の肩に手を置いた。
森「A君、君は無理をしているのでは無いのかい?」
「無理?」
少し意味が判らずに首を傾げた。けれど、森さんは口許を微笑ませて頷いた。
森「君にとって太宰君は兄だ、だから他人のように太宰幹部なんて、云わなくて良いのだよ?君はもっとね。甘えていいのだよ?太宰君にじゃなくたって、もっと周りに居る、中也君や紅葉君にね」
私は悩み、俯いた。肩から首領の手が離れて静かに元の席に戻った。私は・・・・・・。その先の言葉が見つからずに、考えた侭、首領に近づき、報告書を渡した。
「判らないんです、何が正しくて、何が良いのか、判らないんです」
静かに私の話に頷きながら、報告書を読み最後の首領のサインに名前を書いて羽根ペンを元に戻した。森さんは机に肘をつき、手を組んだ。
森「判る、という事は大人にならなければ無理な話だよ。十四歳の君にすべてが分かるわけはない。ただ、人に頼ればいい、人に頼ることは誰にだって出来ることだと、私は思うがね?」
人に頼ること。
この事に私は不信感を抱いていた。何故なら、此処で生きてきたからだ。優しかった人や、傍に居てくれた人は私から離れていく。それ所か、私を殺しにくる。
そんな私に、何が出来るのだろうか。そんな私に優しくしてくれる人なんて居ないだろう。ポートマフィアは、云わば人狼ゲェムだ。人狼が嘘偽りを吐けば周りの何も知らない者はそれを信じる。おかげで犠牲者が出る。
誰が人狼か判らない。それが盲点だ。偽っているのは判る。だが、それが"誰が"か判らない。
誰かを守ろうとしても、皆殺されたくないと毎日怯えて過ごす。そして、人狼を守る側・・・・・・裏切り者が存在する。
人狼は、ポートマフィア首領森鴎外。
裏切り者は、ポートマフィア最年少幹部、兄太宰治。
その他は誰かは知らない。ハンターが誰か、騎士が誰か。私にはこの二人が黒なのが、見える。
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華紅薇(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるとすごく嬉しいです!この話も後編に移りますのでそちらの話もよろしくお願いします!読んで下さりありがとうございます! (2021年10月20日 11時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - この小説本当にめちゃくちゃ大好きです!そして今めちゃくちゃ続きが気になってます、!!なんかキリが悪い所でのコメントですが、応援していることを伝えたかっただけです!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月20日 2時) (レス) @page50 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年9月29日 12時