大好きなあなたへ (ページ18)

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1-13 叫びページ18

貴方side
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こんな予感なんて外れてほしかった

しかし、起こってしまったことを変えることなど不可能だ

こういう時ほど冷静に状況を把握しなければならない

まず、父と母の無事を確認しなくては

『.........父と母はどこですか』

そう、目の前の男に聞く

すると、男は嘲笑を顔に滲ませ、体を横にずらした

その後ろで、ふたつの影が揺らめく

『お父さん！お母さん！』

見間違えるはずもない、今世での両親だ

嗚呼、生きていてくれた。

その事実に胸を撫で下ろす

すると、父が少しずつ歩みを進め私に近ずいてくる

母も父と同様に少し後ろを歩いてくる

「、、、、、に、、、、、て、、、、」

2人が何かを言っているが、よく聞こえない

そして、その言葉は男と私の間辺りに2人が達したあたりではっきりと聞こえた

「にげて!!」

え、と私の思考は止まった

時間にしてはコンマ数秒

しかし、私の目の前から幸せが消え去るには充分な時間だった

視界の端で男が動く

だめだ、やめてくれ、嫌、いや、、、、

『やめてぇぇぇぇぇぇ!!』

視界に映る全てのものがスローモーションのように見えた

なのに、私の体は動かなくて

ただ、ただ、見ることしか出来なかった

目の前が鮮やかな朱で染まる

それが、自分の両親から吹き出す鮮血だと気づくまでそう、時間はかからなかった

『あぁ、あ、ぁぁ、嘘、いや、ねぇ、お父さん、お母さん、』

目の前の男は、そんな私をなおも薄い笑みを浮かべ見下ろす

明らかに嘲笑の意が見える

そして、一言、こう言った

「お前がいるから、こうなったんだ」

景色がモノクロへと変わる

人間は絶望の淵に立たされたとき、考えることを忘れ、何かに縋りつきたくなる

たとえその糸の先が己の憎悪の対象だとしても

『お前が大人しく政府に来るなら他の奴らは見逃してやってもいい』

そして私は................