忘れない方法をキミに 壱［沖田総司］

〜第5話・馬鹿二人〜 ページ7

『ハァ…ハァッ……』



？「おい！何処に行った？！」




あぁ、何年か前にも、こんな事があったな……


すごく、懐かしい……。



？「こっちにはいませんよ」


？「ならば、むこうか？」




足音が、だんだんと近づいてくる……。


どうしよう……っ。



何処か、隠れる場所は……ーーー。





？「あ、土方さーん。居ましたよ」



『………っ？？！』


？「言ったでしょ？背を向ければ斬るって
どうしてこんな事するのかなー？？」



そう言って、彼は私の方に手を近づける…。



ドンッ



？「………うっ！
ちょっ、キミ…何してくれるの……？？」




私は彼に体当たりをして逃げた。




真っ直ぐ進んで、4つ目の角を右に曲がれば、

たしか昼間に行った団子屋が…っ




ドンッ

『わっ！！』


今度は、私が誰かにぶつかる……。


尻餅ついた……、痛い……っ。



？「あぁ？大丈夫か？？」




浅葱色の羽織…っ！！！

この人も、さっきの……っ



？「佐之さーん、その子…っ、捕まえて」



？「は？コイツ？？
何だ？ペットにでもするのか？？」



目の前に居る人は、腹抱えて笑っていた。



この人、絶対馬鹿にしてる……っ。


？「い、いいから……っ。はやく…！」



？「総司、お前バテたのか？？」



？「ちがいますよ…っ、みぞに、骨が…っ！」



？「は？骨折って溝に捨てたのか？？」



………おい、話がかみ合ってないぞ。



？「……字、ちがい……っますって…！」



？「あー、そうか、良かったな！」




何の会話してんだよっ？？？！！




まぁ逃げない私もアレだが…っ。


話にちがう何かが入り込んでるしっ！！




これが新選組？？！
大丈夫なの？！


どう考えても、私より馬鹿でしょ。


？「左之、そいつを捕まえてくれ。
副長の、命令だ」

〜第6話・無駄な努力〜→←〜第4話・狂い咲きの桜〜

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