Episode88 【SHO side】 ページ38
スマホのアラームより先に自然と目が覚めて、無意識に手を伸ばす。
愛しい人の温もりを期待したのに、俺の右手は誰もいないシーツだけをなぞる。
目を開けると、ベッドの半分に彼女姿はなかった。
慌てて体を起こすと、自分がパンツしか履いていないことに気づき、慌ててベッドの下に散乱する服を着ると、飛び出すように寝室を出た。
探していた姿はキッチンにあった。
どうやら朝食を作ってくれているらしい。
その姿を見ながら昨夜のことを思い出す。
大好きな人に好きだと言われ抱きしめられて、我慢できるはずもなく、俺はそのまま彼女を寝室へと誘い、さらにきつく抱きしめた。
「紫耀…大好き…」
見つめ合いながら、時には耳元で囁くように、何度も俺の名を呼ぶAさんの声や表情が脳裏に浮かぶ。
「あ！おはよう紫耀」
そう言ってAさんはいつのもように微笑んだ。
「お、おはよう」
「もうすぐ朝食できるよ！今日はねぇ、気合い入れてオムレツ作ったんだ〜。見て！うまくでき……」
言葉を遮るように後ろから抱きしめる。
「えっ、ち、ちょっと…」
「良かった…。起きたら隣にいないから…。昨夜のことは俺の夢だったのかもとか思っちゃった…」
Aさんの温もりを確かめるように、抱きしめる腕に力を込める。
「夢じゃないよ。ちゃんといるよ？」
優しい声が返ってきて、Aさんは自分の手を振って俺の腕に重ねた。
腕をほどきAさんを振り向かせる。
「ずっと一緒にいような。ずっとそばにいてな」
そう言うと、彼女は笑いながら頷いて、そして言った。
「何だかシンデレラガールの歌詞みたいだね」
「俺にとってはAさんがたった１人のシンデレラガールやもん」
照れ隠しに笑って、そしてまた抱きしめる。
まるで俺たちを祝福するかのように、朝の優しい日差しが、部屋を柔く明るくしていく。
＜完＞
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さや(プロフ) - piyopiyoppp0317さん» コメントありがとうございます！続編を…と言ってもらえて嬉しいです！機会があれば是非続編も作りたいと思います☆ (2018年7月12日 16時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！確かにおうちでは甘えん坊のひっつき虫になってそうですね（笑） (2018年7月12日 16時) (レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
piyopiyoppp0317(プロフ) - 続編お願い致します(*^^*) (2018年7月10日 0時) (レス) id: 9319dd29f1 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後のシーンを拝見して、やっと結ばれて今まで我慢してた分紫耀くんはヒロインちゃんにめちゃくちゃ甘えたで家ではずっとくっつき虫してるのかな〜と妄想が広がりました（笑）もし宜しければその後の2人も見たいです！また遊びに来ますね (2018年7月9日 3時) (レス) id: a0553c7bfd (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - 莉穂さん» 紫耀くんっぽいところありましたか！？自信なかったのでそう言ってもらえると嬉しいです。ありがとうございます！ (2018年7月7日 20時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月15日 7時
