Episode6 【SHO side】 ページ6
部屋に戻り、電気をつけないままリビングに向かうと、締め切ったカーテンの隙間からこっそりと下を見下ろす。
「やっぱり勘違いか」
見下ろした先、つまりマンションの前には誰の姿もなく、俺は小さく息を吐く。
ここ最近ずっと同じ子がマンションの前にいるような気がして気になっていた。
今日もマネージャーの運転する車で戻ってきたとき、スモークがかかって外からは車内が見えないようになっている窓から、その子の姿が見えたような気がして嫌な感じがしたのだ。
誰もいないことを確認してから、ようやく俺はリビングの照明をつけた。
壁の時計は深夜１２時半を過ぎたことを示している。
時計から手元のコンビニの袋に視線を移し、ため息を吐く。
遅くまで仕事して、コンビニで簡単なものを買って腹を満たし、シャワーを浴びて半ば倒れ込むようにベッドに横になって眠る。
目が覚めると、朝からまた仕事に向かう。
ここ最近ずっとこの生活だ。
デビューが決まったのは素直に嬉しい。
ずっとCDデビューを目標に頑張ってきたし、ようやく俺も先輩たちと同じフィールドに立てると思ったらわくわくする。
しかしその気持ちと同じように不安やとまどいもある。
個人での仕事が一気に増え、映画やドラマの仕事が途切れなく入っている。
さらにグループでの仕事(レコーディングや撮影など)も今まで以上に増えて、両立するのが大変だ。
「デビューするってこんなに大変なんだな」
誰もいないリビングに自分の声が虚しく漂う。
先輩たちはこんなスケジュールをこなして、さらに学校まで通ったりしてたのか。
俺には想像もできない。
これ以上考え始めるとおかしくなりそうだから、俺はテレビの電源を入れてコンビニの弁当を取り出し、何も考えないようにしながらそれを口に運んだ。
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！ 頑張って続き書きます！！ (2018年6月11日 0時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月2日 2時
