Episode32 ページ32
「ただいまー」
玄関を開けるとリビングから明かりが漏れていて、まだ起きてるみたいね、と口に出さずに思う。
リビングでは平野くんが１人、テレビのバラエティ番組を見ていた。
「ただいま」
「おう、おかえり」
返ってきたのは、そっけなく気のない返事だ。
「晩御飯、ちゃんと食べた？」
「あぁ、まぁテキトーに」
「コーヒーでも飲む？」
「あぁ」
いつも以上に言葉数の少ない彼に違和感を感じながらも、私はお湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
「はい。どうぞ」
２人分のマグカップを片手にリビングに向かうと、片方のそれを渡す。
平野くんは「サンキュ」と小さく呟くと素直に受け取った。
「何？どうしたの？元気ないみたいだけど。あ！もしかして私がいなくて寂しかったとか？？」
無理に明るく話しかけてみたけれど、反応はイマイチで、恥ずかしくなった私は「･･･なぁんて。冗談だよ」と打ち消すとマグカップに口をつけた。
「どうだった？岸くんとの食事は」
相変わらずテンションの低いままだが、初めて彼から会話が始まった。
「うん。楽しかったよ。仕事のこととかいろいろ話せたし、ご飯もね美味しかった」
「へぇ〜」
実際はほんの数秒の沈黙が、なぜだか永遠のように長く感じられる。
「仕事以外の話もあったんじゃないの？」
「･･･う、うん、まぁね」
ほんの数分前の告白を思い出して、１人赤面する。
「何で隠すの？」
「え？」
「俺、さっきたまたま見ちゃったんだよね。マンションの前で２人のこと。告白されてたじゃん」
「え！！！？見てたの？？」
まさか平野くんに見られていたとは全く気がつかなかった。
「コンビニにでも行こうと思って部屋出たんだけどさ、あんなところで話してるから行くに行けなくなって帰ってきた」
「そう･･･だったんだ･･･」
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！ 頑張って続き書きます！！ (2018年6月11日 0時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月2日 2時
