Episode11 【SHO side】 ページ11
廉たちと店の前で別れて、タクシーで自宅に戻る。
マンションの前を通る時、ふと見ると、やはりそこには１人の女性が立っていた。
しかも窓ガラス越しに目が合う。
(やべぇ。やっぱりいる…)
今まで感じていた視線は、やっぱり勘違いなんかじゃなかった。
(ファンの子かな。でも家までバレてるなんてヤバいよな…)
マンションの地下駐車場でタクシーを降りると、急いで部屋に戻り、例によって照明をつけずに窓側に近づき、カーテンの隙間から下を確認する。
そこにはまだ女の姿があって、下からマンションを見上げている。
「げっ」
階数を考慮すれば決して見えるはずはないのだが、何となく女と目が合ったような気がして慌てて窓際から離れる。
「やべぇな〜」
しばらくリビングをウロウロしていた俺は、ふと思い立ちスマホを手にした。
「はい。もしもし」
スマホから聞こえる声に、少しだけ安心した。
「あ、俺。平野、だけど」
「うん。こんな時間にどうしたの？何かあった？」
電話の相手はマネージャーだ。
その声を聴いた瞬間、彼女に電話をしてしまったことが急に恥ずかしくなった。
「いや、別にちょっと間違えただけ」
「嘘。何かあったんでしょう？どうしたの？」
いつもと打って変わって、聞こえる声はどこまでも優しい。
その声に促されるように、俺はマンションの下にいつも同じ女がいること、今日はタクシーの窓ガラス越しに目が合ったことを話した。
「分かった。今からそっちに行くから、何かあったらすぐ電話して。私が行くまで絶対部屋から出ないでね」
そう言い残すと、電話は一方的に切れた。
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！ 頑張って続き書きます！！ (2018年6月11日 0時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月2日 2時
