Episode2 ページ2
「A、ここに連絡して」
「A、裏に車まわして」
キンプリの担当マネージャーになって１週間。
ずっとこの調子で私はバタバタと走り回っている。
メンバーの中でも最も多忙な平野紫耀のスケジュールは恐ろしいほど詰まっている。
映画のPRイベントや番組の収録、雑誌の撮影や打ち合わせ…。
「平野くん、こんなに働いていて大丈夫なんでしょうか･･･」
思わずメインで担当しているマネージャーの島木さんに尋ねると、彼は小さく笑って言った。
「確かに今の平野のスケジュールは過酷だけどお前は人のこと心配してる場合じゃないんじゃないのか？」
「え？」
「平野が多忙だということはつまり、俺もお前も多忙を極めるということだぞ。しかも平野以上に、な」
そうだった…。
確かにタレントが忙しいということはその送迎やスケジュール管理をする私たちマネージャーはさらに忙しい日々がこれからも続くということなのだ。
「実際俺たちだってしばらくの間はまともな休みなんてないに等しいからな」
そう言うと島木さんは手にしていた手帳を開き、来月、再来月のスケジュールを私に見せた。
「げっ…真っ黒」
「そういうことだ。お前は平野の心配より自分の心配をしろ」
「はい…」
「それじゃあ俺は会議があるから事務所に戻るが、お前は平野を送ったら帰っていいぞ」
「分かりました。お疲れ様です」
島木さんに一礼すると私は平野紫耀のいる楽屋へと向かった。
「失礼しま〜す」
楽屋の入口をノックして入ると、ちょうど衣装を着替えた直後らしく、彼はメイクさんやスタイリストさんとなごやかに談笑していた。
しばらくして整理を終えた衣装さんとメイクさんは「お疲れ様でした〜」と楽屋を後にした。
「お疲れ様でした！」
平野紫耀は満面の笑みで２人に声をかけると、頭を下げた。
その姿に２人も気を良くした様子で「またね〜」と手を振りながら楽屋を出る。
(いい子だな…)
この１週間ゆっくりと話せていないので平野紫耀という人間がどんな人なのか実はまだよく分かっていない。
それでもすごく礼儀正しい良い男の子みたいで、私もつい顔がほころぶ。
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！ 頑張って続き書きます！！ (2018年6月11日 0時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月2日 2時
