Episode13 【SHO side】 ページ13
「何言ってんの? ダメに決まってるだろ」
「あなたがダメだって言っても、私はここから帰らないから。今は女の姿が見えなくても、何か起こってからじゃ遅いし」
「そんなこと言ったって寝るとこなんてないよ。まさか一緒に寝るつもりじゃ…」
「ばかっ!そんなわけないでしょ。私はリビングでテキトーに寝るから気にしないで」
「いやいやいや。気にするだろ。無理無理」
「ほら。いつまでも駄々こねてないでシャワーでも浴びて早く寝たら?明日も早いのよ」
俺は無理やり背中を押されてバスルームへ押し込まれた。
不本意ではあるけれど確かにもう時計の針は日付が変わったことを知らせているし、明日は映画の撮影で朝も早い。
俺は言われるがままにシャワーを浴びた。
バスルームを出るとリビングではAさんが映画の台本に目を通していた。
「なぁ、本当にここで寝んの?」
「ええ、そのつもり。ごめんなさいね、押し掛けた上に勝手に泊まるだなんて。でも、やっぱりあなただけここに残すなんて心配だから」
「まぁ、俺は別にいいんだけど・・・・・・」
急に謝ったり心配だって言うなんて、ちょっと想定外すぎて、俺はしどろもどろになって口ごもる。
「じゃあ、おやすみなさい」
「あ、うん。おやすみ」
最後まで動揺を隠せないまま俺は寝室へと逃げ込むと、ベッドに入った。
それから30分。
寝付けないまま見慣れた天井を凝視し続けた俺は、ふと思い立ち、クローゼットから薄手の掛け布団を取り出すと、リビングへと向かった。
リビングではAさんが何やら書類に目を通していた。
「どうしたの?」
「いや、寝る時、寒いだろうから、これ、使って」
まるで日本語を覚えたての外国人のような片言の日本語で、俺は掛け布団を差し出した。
「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて使わせてもらいます」
彼女はそう言うと素直に受け取った。
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます!嬉しいです! 頑張って続き書きます!! (2018年6月11日 0時) (レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2018年6月2日 2時