力を持つ者、殺戮喜劇の茶番祭

第１幕「日常を生きる(異常を殺す)」 ページ2

手に持っている刀の刃の先から、ポトリと赤い滴が落ちた。



今日の標的(ターゲット)はやけ(・・)に弱かったな、と考えながら。



ボクはそれ(・・)を、生きていた人間だった物(・・・・・・・・・・・)を。



即ち死骸を、冷えた目で見つめる。





死骸は何も喋らない。





そりゃあ死んだやつ(・・・・・)が動きだしたら、それだけで充分ホラーだろう。



まぁ、ボクみたいな奴等が居たら、どうなるかは判り兼ねるけども。





コツ、コツ、と。





灯りの無い廃工場の廊下を、此方に向かって歩く音が聞こえてきた。



どうやら、次のお客(相手)らしい。






「全く‥‥‥次から次に敵襲ですか、元気が良いですね、何か良い事でもあったんですか」






それは大方。



ボクの存在だろうな。


呑気に考えている暇があるので、今はまだ大丈夫そうだ。









【獄心葬成】深剣翠

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