最愛のあなたと【2j3j】【knmc】 (ページ8)

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8. 廻る、巡る、あなたのために。ページ8

　
まっくらな場所だ。

どこを見ても一面、黒く染まっている。

足元は見えないが、
素足にはひどく冷たく感じる。

(…ここには刀也さんがいない。)

当たり前のことだけど、
どうしようもなく寂しくて。

貴方にもう一度会いたい、なんて。
身勝手な想いを持ってしまった。

…なんで、私はあんなことを
願ってしまったのだろう。

世界で一番愛しく、
幸せになってほしい彼に。

何故、あんなことを。
何故、正気でいられなかった？

「…我慢は得意なはずなのにな。」

…暗闇に光が差した。

そう、あの日救いの手を
差しのべてくれた彼のように、
あたたかく、やさしい光が。

身の程知らずだと分かっていても、
手を伸ばさずにはいられなかった。

…あの光が恋しかった。

差し込んだ光が闇に呑まれた
私の心を侵食していった。

＿＿総ては、虚空に還り、
総ては、虚空から生まれる。

新たな歯車が生まれ、絡み合う。
廻る、巡る。

それは、幸か不幸か。
廻る、巡る。

すべては、
異能が生んだ呪いのせい。

すべては、
愛と憎のせい。