最愛のあなたと【2j3j】【knmc】 (ページ3)

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◆3.欲が目覚めた？ページ3

刀也さんは絶対
私を一人にしたり、
捨てたりなんかしない。

だけど、
唯一ではなくなってしまう。

彼の隣が奪われてしまう。

そう思うと、
どんどん止めどなく不安が沸いてくる。

…欲深くなってしまったなぁ。

彼は私の家族で居続けてくれる。

でも、それじゃ駄目。

どうしようもなく、
刀也さんのことが好きだから。

娘として、妹として、少女として。

彼は私のことを
大事に思ってくれている。

でも、
私を女として見てくれない。

いつまでたっても、
庇護下にいるだけの、鳥籠の小鳥だ。

ぐちゃぐちゃの思考の中、
ふと脳に妙案が浮かぶ。

──役立たずの異能が役に立つんじゃ？

(そうだ、
彼のお見合いの場を
見てみればいいんだ！)

正気じゃないまま、私は異能を行使し、家を飛び出した。

床が私を嘲笑うように
キィキィと軋んだ。

──歯車が狂う。
くるくる、くるくる。