最愛のあなたと【2j3j】【knmc】 (ページ15)

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◇14．どうしても怪しいページ15

私はガクさんは
悪い人じゃないと思っていた。

前言撤回。

いい人かもしれないけど、
飛行技術は悪質だった。

鳥や木にぶつかりかけるし、ぶつかるし。

ぶつかったかと思えば
悪魔のような笑い声を響かせる。

…ほんとうに、しぬかとおもった。

一度、死を経験しているけど、
それを上回るほどの恐怖体験だった。

「帰りも飛んで送りますからねぇ。
安心してくださいね、Aちゃん！」

無邪気な笑顔でガクさんが
死刑宣告をしてきた。

……帰りは自分の異能で、
こっそり帰ろう。

ガクさんに案内されたのは王都の発展した町から少し離れた薄暗い町からまた離れたお屋敷だった。

年季は入っているのだろう。

しかし、手入れが行き届いているのか歴史を感じさせながら威厳のあるお屋敷だ。

「裏からこっそり入るっすよ～」

…これって犯罪の片棒担がされてないよね？

手慣れた手つきで
裏口のドアの錠前を外し、

(鍵らしきものは持っていなかった)

そろり、そろりと
怪しい動きをするガクさん。

(やっぱり、
悪い人だったのかも…！)

そう思ったが、私はまた
前言を撤回することになる。

「Aちゃんに、
この人を治して欲しくて…」