◇13．怪しいお客様 ページ14
「こんばんは〜、
お邪魔しまぁす〜！」
突然真夜中にやってきた侵入者は
のんきな挨拶をした。
…お昼に治療したおじいさんだ。
けど、違和感がある。
「お昼はどうもありがとうございました〜！
今はすっかり元気になったっすよ！」
(声が若すぎる…！)
見た目はおじいさんなのに、声が若々しい。
いや、若々しいというより
若い…？
「あ！この姿にこの声じゃ違和感あるっすよね！」
困惑している私に、
おじいさんはそう言うと…
霧に包まれた。
どこからともなく現れた
霧が消えると、そこには、
不思議な…
髪型が獣の耳のようになっている
美形の若い男性が立っていた。
「どうも、こんばんは〜。
伏見ガクっス！！
サクッとガクって呼んでくれよな！」
目の前で起きたことが
信じられないけど、
取り敢えずお辞儀をする。
(突然、小屋に人が来て、
それがおじいさんだったのに
若い男性で…？？)
頭の中で整理しても
よく分からない。
「突然夜中にお邪魔して悪いんすけど、
緊急でお願いしたい仕事があるんすよ。」
目の前のどこか狐っぽいガクさんは、
どこかキリッとした顔つきになる。
…突然現れたよく分からない侵入者だけど。
(なんだか刀也さんに似た気配がする。)
きっと悪い人じゃない。
なぜかそこだけは確信をもてる。
「…とりあえず、来てもらってもいいっすか！」
「…ぇ！？」
おもわずマスク越しに
小さな声が漏れてしまった。
だって急にガクさんが私を抱えて、
(空…飛んでる！？)
真冬の星空を飛行し始めたからだ。
(私、どこに連れてかれるの？！)
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作者名：継森 | 作成日時：2023年12月13日 23時
