最愛のあなたと【2j3j】【knmc】 (ページ12)

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◇. ページ12

勢いよくドアを閉めたせいで
部屋の埃が勢いよく舞った。

埃を吸い込んでしまわぬよう、
口をマスクの上から手で覆い、
たてつけの悪い窓を開ける。

(…あんなに感謝されたのはいつぶりだろう。)

いつも仕事で会う人達は
お金を持っている人達で…傲慢で。

私を便利な道具として見ていた。

品定めをするように
私を頭の天辺から足先まで
じっとりとした生温い目で見るのだ。

…少し前までは私は
比較的小綺麗にされていた。

髪も定期的に整えられ、

仕事のときはよそ行きの
小さな飾りの付いた服を着ていて、

三食ご飯を貰っていたので、
健康的で血色も良かった。

すると、依頼をした貴族が
私の異能と姿を見て、
愛人にすると言ってきたのだ。

母がなんとか断ってくれたけど。

もし…無理矢理にでも
拐われてしまったら。
私の異能が悪用されたら。

それからだった。

白銀のような色をしていた
髪を整えられることはなくなり
完全に伸ばしっぱなし。

服も白一色のワンピースが
仕事着になった。

食事も二食になり、
量が空腹を感じるかどうかの
ギリギリまで減った。

朝、起きるときに
冷水をかけられるようになった。

こうして私の生活が変化することで、

私の見た目は良くても不健康、
だいたいの人が不気味、

と認識するぐらいになった。