最愛のあなたと【2j3j】【knmc】 (ページ1)

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◆1.私のかみさまページ1

私の親は、
16歳の体を持つ
王国の騎士だ。

名前は刀也さん。

親といっても彼は育て親で、
14歳の未成年である私を
保護して養ってくれている人、
なんだけど。

ちっとも光が射し込まない
暗闇の中、手を差し伸べ、
救い出してくれたのが
刀也さんだった。

異能の力が溢れるこの世界で、
厄介な異能を宿して
生まれてしまった私を、
…刀也さんだけが助けてくれた。

誰もが都合の悪いものから
目を背けるこの世界で、
刀也さんだけが。

刀也さんは私のかみさまだった。

かみさま、だった。

彼は年齢のせいでその実力に相当する
地位や役職を与えられていないけど、
王国屈指の実力者であり、
絶世の美男子でもあって。

繰り出す剣技は
舞のように美しく鋭く、

それとは対照的な物腰の柔らかさや、

平民生まれであるのにも関わらず
王国のお抱えの騎士にまで
成り上がった彼は、

国民から羨望と好意の
眼差しを向けられている。

刀也さんは、私だけのかみさまではない。

きっと、彼は
“王国の騎士”だから。
“国民の英雄”だから。

『───ずっと名前の傍にいます。』

───そんなこと言ったって、きっといつか、
私の手の届かないところへ行っちゃうんでしょ？