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喉の渇きと胸騒ぎで目を覚ました。
スマホ画面を触ると、まだ6時。
スマホの明かりを頼りにリビングへ。
窓の見えるソファに座って、お水を飲む。
眼鏡をかけてない視界はひどくぼやけている。
それでも分かる空の色。
2月も終わりだけど、まだこの時間は薄暗い。
コップ一杯注いだ水もあと少しになった頃
伏せてたスマホから光が漏れる。
画面を表に向けると『恭平』の文字。
瞬時に、昨日のことが頭に浮かぶ。
急いで、でも焦らずに画面を押す。
『もしもし〜？
恭平どうした？』
なるべく優しい声でそう尋ねても、何も返ってこない。
『もしも〜し？聞こえてる？』
何回かそう問い掛けると、
聞こえてきた、啜り泣く声。
隅っこで小さくなって泣き続ける恭平の姿が浮かぶ。
そんな姿を見た時、俺はいつも何をしてたっけ…？
ただ見てるだけ？
それとも背中をさすってる？
今は背中をさすることはできないけど、
温かい言葉をかけることならいくらでもできる。
電話越しでもできる。
『恭平、おはよう』
「だぃごくん、…」
『お話したくて電話した？』
恭平の呼吸に合わせて訊くと、
弱々しい声が聞こえてくる。
「おれ、…
このしごと、むいてない、っすよね…」
それは、
シンプルだけど、
最大の、
すべての、心の叫び。
勇気を振り絞って出したであろうその言葉。
“大丈夫”なんて言えない。
“泣かないで”なんて言えない。
“俺が付いてる”なんてことも言えない。
ただ、自信を持って言い切れることはこれだけ。
『恭平はこの仕事向いてるよ。
俺はそう思う。』
“この仕事が恭平に向いている”ということを、完全に保証でき…はしない。
本人の精神面も関係するし…。
でも、“俺がそう思ってる”ということは保証できる。
恭平の頑張る姿を見てきた人なら誰でも言い切れる。
そんな、ただの1人の意見だけど…
それでも、心の支えになれば…。
もう一度前を向くきっかけになれば…。
画面の向こうから聞こえてくるのは、
ゆっくりと、長く、息を吐く音。
それは、“もう一度前を向くため”の呼吸。
カーテンの隙間から顔を覗かせる、
淡い紫を纏った雲。
まだ朝は始まったばかり。
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とまとまと(プロフ) - コメントありがとうございます！すのすのさんもお付き合いいただきありがとうございました。これからも末永くよろしくお願いします！ (2023年1月9日 18時) (
レス) id: 33d0adc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
すのすの(プロフ) - 今回で誕生日編最後なんですね。毎日更新ほんとにお疲れ様でした。毎日とても楽しみにしていました。仲間（ここでいうメンバー）はとてもかけがえのないものですね。これからも応援します! (2023年1月9日 18時) (レス) @page19 id: abf51d1e00 (このIDを非表示/違反報告)
とまとまと(プロフ) - 毎回深い読み取りをしてくれる、すのすのさん、流石です！ (2023年1月8日 22時) (レス) id: 33d0adc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
すのすの(プロフ) - 尊敬しているからこそ話せないことというものがあるんですね。そういう人に自分の弱いところを見せるのは難しいことかもしれないと思いました。 (2023年1月8日 22時) (レス) @page15 id: abf51d1e00 (このIDを非表示/違反報告)
とまとまと(プロフ) - 私の作品を細かく見ていただけて、とても嬉しいです！妄想全開なので、すのすのさんも妄想全開で楽しんじゃってください！ (2023年1月7日 17時) (レス) id: 33d0adc3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまとまと | 作成日時：2023年1月3日 7時
