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河村の口が動いた。
「……え……?」
視界が開けると、背中を押されて部屋に戻される。
全員の視線が集まる中、福良に歩み寄る。
彼だけは、自身の酒を見つめていた。
福良の隣にそっと腰を下ろす。
「……ふくらさん」
ゆっくりと、視線が合う。
「なぁに?」
優しい笑顔だった。
「……僕、ちゃんと覚えてますから」
「……」
一瞬目が見開かれるが、すぐに細められる。
「……ありがとう」
その微笑みを、Aは一生忘れないだろう。
「なになに、何か約束でもしてんの?」
伊沢が興味深そうに頬杖を付く。
須貝が無言で肩を小突いた。
"黙っていろ"という目で須貝に睨まれ、伊沢は姿勢を正す。
「まぁ、そんなところ」
福良が朗らかに笑う。
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作者名:夏みかん | 作成日時:2020年5月30日 12時