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「……っう……」
「……おいで」
手を引かれて立ち上がると、ベランダに連れて行かれる。
夜の冷たい風が、火照った身体に丁度いい。
「話何ていくらでも聞くから、あんまり溜めない方がいいよ」
気遣いだって分かってる。
優しさだって分かってる。
でも、話したら、止まらなくなりそうだ。
「……話せません」
手すりに頭と腕を預けて、河村越しに夜空を見る。
深い闇に煌めく星が、嘲笑っているようだった。
「……どうして?」
「普通聞きます?そんな事」
「……僕、普通じゃないから」
鼻で笑った河村に、何故か一気に心が開いていく。
"普通じゃない"
その言葉が、脳裏に焼き付いた。
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作者名:夏みかん | 作成日時:2020年5月30日 12時