検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:6,432 hit

1 ページ1

「……あった……」
2045番。
それがAの受験番号だった。
数えるのも億劫な程の番号の中、自分を主張するように浮き出て見えるそれに、目を瞬かせる。
「受かっ……た?僕が?」
__僕みたいな奴が?東大に?
嬉しさ何て二の次三の次で、申し訳なさの方が大きかった。
同じクラスの親友は連番で受けたはず。
なのに。
どうして。
彼の番号がない?
「……A」
「っ……」
隣から聞こえる優しい声に目を向けると、笑っていた。
寂しそうに、嬉しそうに、微笑んでいた。
「おめでとう」
「……」
何も言えなかった。
ただ俯いて、彼の肩に頭を預ける事しか出来なかった。
「……ごめんな、一緒って言ったのに」
「……っう……」
頭を撫でる冷たい手に、抑えていた涙が一気に流れていく。
謝って欲しかったわけじゃない。
優しくして欲しかったわけじゃない。
謝りたいのは僕の方だ。
罵詈雑言を浴びるのも僕だ。

僕達には、二次試験何てない。

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:qk , BL , 男性夢主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夏みかん | 作成日時:2020年5月30日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。