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外は夕日が沈みかけた頃。
空は燃えるような赤から冷めた青へとグラデーション。
「べべにおこられる」
「だねぇ、佐久間さんかわいそう」
元気でみなぎっている佐久間に振り落とされないように、仕方なくハートのピアスがぶっ刺さった首に両手でしがみつく。
仕方なくだ、懐いてなんかいない。
「さくま悪いもん」
「にゃはは、何も言えねぇ〜」
全然怖くないが、キッと睨めば佐久間は降参した〜と演技してくれる。
「歩いてくの？」
「佐久間さんに運転してほしー？」
「しにたくない」
「オヒメサマ俺の扱い分かってんねぇ笑」
ケラケラ笑う佐久間の振動でふわふわの髪がお嬢をくすぐる。
「インパク近けぇからね」
「ん、」
ホストクラブは日が落ちてからが勝負。
今頃、開店準備に追われているのだろう。
この場所を熟知した人間が通るような細い裏路地を抜ければ、人通りの多い繁華街が顔を出した。
「ぎらぎらしてるね」
色めきたつ街並みにお嬢は目を奪われる。ネオンライトが物珍しいのだろう。
「そぉね、お家とは正反対ね〜」
和室や静寂で包まれた屋敷とはまるで違う。
「ラウここ居るの？」
「にゃす！この先の一番デカい店ね」
佐久間の目線の先には遠くからでも目を引くシックな出で立ちの建物。
「インパク」
「覚えてて偉いねぇ♡佐久間さんのお店〜」
「くみちょーとべべのでしょ」
「表向きは佐久間さんだもん」
12歳にムキになる必要はないだろう。
「裏から入ろ、表は厄介なおねぇーさんでいっぱいなんだよなぁ」
着飾った女性たちに見つからないように、コソコソと裏口へ急ぐ。表面は何故かウケがいい佐久間は、好かれやすいのだろう。
だが、このピンク頭が目立たないはずがないだろう。
「あー！！大介くんだぁ！」
「うげっ」
ふんわりとした薄ピンクのワンピースに巻き髪の女性が佐久間に気づく。小さな声で嫌そうに声を出した。
「え、その子だあれ？隠し子？やだぁ大介くん私のなのにぃ」
伸びきった甘ったるい声と手元が動く度に指輪がキラキラ光る。初めて出会うタイプの女性にお嬢は戸惑っている。
「この子俺の妹チャンなのよ〜、今お子守り中♡」
「え〜似てなくなぁい？」
「そぉ？可愛ーじゃん」
お嬢を褒める佐久間に明らかに機嫌を損ねる女性。
それだけは空気感の変化でお嬢にもわかった。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
