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「佐久間くん、お嬢が怖がってます」
「お前に関係なくない？しゃしゃり出てくんなよ、オヒメサマと話してんのは俺なんだけど？」
そこまで冷えきった廊下でないのに、この場だけ極寒の地と化している。
目黒は顔色ひとつ変えず、佐久間は飄々としたまま、お嬢は目黒の胸に身体を預け佐久間を見ようとしない。
「なぁんでよ、俺とおねんねしよ〜」
譲る気のなさそうな目黒をスルーし、再び話しかける。その口が動く度に銀色の舌ピアスがギラギラ輝く。
「駄目です、佐久間くんは一人でシャワーでも浴びてください」
テクノカットの下から除く鋭い視線。
「うわぁ、お前結構言う奴？佐久間さんに口答えしてくる奴って珍しめなんだよー、知らねぇの？」
「知りません、不快です」
佐久間の首元に光るハートの形のピアスをそっと撫でる。
「このオヒメサマ、何で俺だけに懐いてくんないのかねぇ。俺はただ、俺好みに育てたいだけなのになァ〜」
狂気じみた眼、伸ばしきった語尾。
ロリコン気味なところがお嬢はどうにも苦手で、恐怖を感じずにはいられない。
「すいません、気持ち悪いです。お嬢はお嬢なので」
「あ"？お前マジでイラつく」
上から見下ろす佐久間に物怖じしない。
一触即発。
佐久間の苛立ちは最高潮に達していた。
両手をバキバキと鳴らし始め、左手が目黒の頬に直撃、
「止めろ」
しなかった。
その場を支配する凛とした声。佐久間を唯一止めることの出来る人間。
「滅多に出てこない目黒をボコせる、面白いトコだったのにー」
「面白くねぇ、内輪揉めすんな。お前は早くシャワー浴びて返り血どうにかしろ」
「…ハイハイ、くみちょー」
またね、Aチャン、と要らん一言を添えて佐久間は素直に風呂場へ向かった。
「……悪いな目黒」
「いえ、岩本くん」
佐久間が去って、目黒の身体が震えを思い出し始めた。
「…めめ、」
目線を落とした目黒の顔を、心配そうに覗き込む。
「俺が送ろう、お前は部屋に戻れ。もうすぐ全員帰ってくる」
的確な岩本の指示、何も出来ない自分に悔しさを覚えながらも組長という立場の彼には逆らえない。
「……ッス」
小さく了承した目黒に、お嬢はお礼を言ったが、目黒は上手く答えられなかった。ふらついた足取りで自室に帰るのを、角に消えるまで今度はお嬢が見送った。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
