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「……」
「…………しょっぴー、いつまでそうしてるつもり？」
胡座をかいて、両手を宙にさ迷わせ放心状態の渡辺。
焦点の合わない目をした渡辺の顔を覗き込んで、呆れ気味にラウールは聞く。
「Aに嫌われた、…これから生きていけねぇ……」
吐息なのかと疑うくらい弱々しい。
目にかかった金髪を人差し指で退かしながら、精一杯のめんどくさい顔をつくった。
「えーーー、面倒くさ」
「うるさい、わかってるわ、」
ラウールに対する語気の強さは健在だ。
「Aちゃんそんな子じゃないでしょーーー」
「それもわかってる！！」
これでは、母親に反抗する癇癪持ちの5歳児だ。
「しょっぴー今超面倒臭いよ」
「ホントにね」
ふわりと香る薔薇。
ぽってりとした唇は相方に向かって、優雅に言葉を紡ぐ。
「ごめんね翔太。タイミングを見て言おうとしてたんだ」
「俺だけに言わなかったろ？」
目は合わせず、乾ききった薄い唇を小さく動かし、語気は先程よりも強めに。
「翔太に先に言うと先走りしてから回るでしょ？阿部に相談して、照にも話通して、その後でって思ってたんだよ」
「だから？俺がAを心配したらダメなわけ？なんかあったらお前1人で守れんの？」
「そうじゃないって。俺は翔太とじゃなきゃお嬢は守れないと思ってし、翔太のことをちゃんとわかって」
「分かってねぇ」
宮舘が何を言おうが、渡辺には響かない。
一方は冷静に、もう一方は感情的に。対称的であっても、お互いがお互いの言い分を理解している。
理解し過ぎているが故に、衝突するのだ。
睨み合う二人。本日二度目の面倒くさいシチュエーションに、ラウールはさすがにウンザリしている。
「ねぇーー、Aちゃんのお部屋でやめようよ〜」
『あ"？』
息ピッタリでラウールに顔を向ける。
苛立ちを隠しきれていない二人に噛み付いても仕方ないので、なんでここは揃うかなーー、と呑気に考えた。
「はいはい、お部屋出ようねー？」
強めの力で20代後半に差し掛かった男二人を押し出す
あぁ、何とも滑稽だ。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
