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「Aチャーーン！！あっそびましょっ〜！♡」
日が落ち始めたある日、スパーーーーンッと勢いよく襖を開けた、小柄な青年。
「……っいや」
お嬢は口をキュッと結んで身体を縮こませる。
「えーー、なんでぇ、佐久間さん悲しいーー」
ちっとも悲しそうじゃない。
えーーん(泣)と嘘泣きしてみるが、お嬢に効果はない。
それでも、ピンク頭は嫌がるお嬢に近づいていく。
「さくま、やな事しないで、」
「え、うっわ、唆る……今のめっちゃ好きーー、何それもっかい言ってくんない？録音する！！」
「……きもちわるい」
さすがのお嬢もげっそりした顔で呟く。
生憎、百合組は席を外していて、そのタイミングを狙ってきたようにしか思えない。
「いただきましたぁーー！いいねぇかわいーー、俺こういう子が後で俺にめっちゃ縋ってくんのすきなのよー、ぜってぇ懐かせたいなぁ♡」
こうなった佐久間は岩本以外は止められない。
「……なんの用？」
こう見えても、佐久間は用事のある時しかこの襖を開けないということをお嬢は知っている。案外気の利く人間であることも知っている。
コレクションの銃や日本刀に名前をつけて、彼女のように可愛がっているくらい頭のネジは外れているけれども。
「今からオレとインパク行かない？」
「A外出たらダメなのしらないの？」
目の下には阿部より酷い隈。
真ん丸の目をグッとお嬢に近づける。お嬢が後ずさったのも気にせずに。
「知ってますよォ、それくらい。でも佐久間さんいるし、あとラウールが復帰したんだよ、見に行きたくない？」
「うっ……」
ラウールという言葉にお嬢の心は揺れる。
あの日以来、まともに会話が出来ていないのだ。
「インパクは佐久間さんの管轄内だし大丈夫だって〜、家みたいなもんよ」
IMPACTors、通称インパク。
吹雪組佐久間大介がオーナーを務めるホストクラブである。ラウールはここのボーイをしているのだ。
インパクのホストたちは皆、一時期は金欲しさに裏社会に手を染めた人間ばかり。しかし、全員がそこに向いてるとは限らないのが裏社会だ。
苦労している若者を救うべく、岩本が佐久間に命じて経営を始めたのが始まりである。
「さくまにオーナーつとまってるの？」
「イイトコ突っつきますねぇ、オヒメサマ。ま、無理ですねーー、裏ボスは阿部ちゃんだし。佐久間は表向きね」
にゃははっと軽薄に笑う佐久間。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
