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「おい、A」
「…なに」
不意に隣から声がかかる。
いつの間にか距離を詰められていた。シリウス・ブラックだ。
「相棒の顔、見てみろよ。呆然としてんぜ」
彼の言う相棒とは、ジェームズのことだろう。
Aの方から目を離さずにじっとこちらを見つめている。口はぱっくり開いたまま、随分と情けない顔だ。
「いじめないで」
「、は、？？…いや、いじめてなんかないさ。僕は当然のことをしたまでだよ」
戸惑いを隠せていなかったものの、Aの声に反応して動揺しつつも変わらぬ減らず口を叩いた。
「セブをいじめることの何が当然なの…？」
「知らないわけじゃないだろ？アイツがどっぷり夢中になっちまってる魔法は危険な闇の魔法なんだよ、ンなもんに熱中してる奴なんかろくな野郎にならねぇってこと」
「だから？」
「今のうちにシメとくべき、だろ？」
今までに無い感情がぶわっと湧き上がってくる。
自分がこれほどまでに感情的になったことが今までにあっただろうか、頭で考えるよりも先に手が動く。
気づけば杖を構えていて、ジェームズの顔が目の前にある。
正しくはツカツカと足早に、Aがジェームズに近づき杖を首元に構えた、だ。
「、おい、！」
さすがに焦ったのかシリウスが声をかける。
Aは聞こえていないようだ。
「おいおい、なんのつもりだい？仮にも同じ寮生だろ？誇り高きグリフィンドール生同士の争いなんて僕は起こしたくないなぁ…？庇うってことはもしかして君も闇の魔法に興味があるってことなのかな？それなら僕は君の」
まくし立てるジェームズは何とも滑稽に見えた。
息を短く吸って、彼を真っ直ぐに見つめる。
「次、 …許さないから」
青く、鋭い眼光、怒りが込められた語気。
先程までラジカセのようにお喋りだったジェームズはかろうじて指を動かせたくらいであった。
首元に近づけていた杖をもう一度ジェームズに押し当てて、ローブの中に収めた。
周囲は唖然として見つめるばかりで、誰も動かない、口を聞かない、囃し立てていた声もいつの間にか止んでいた。
そんなものに1ミリも興味を示すことなく、Aはくるりと翻すと2人が去っていった方向へ歩いていってしまった。
「無詠唱でこれか。……ヤベェ奴」
乾いたシリウスの笑い声だけが廊下に響いた。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
