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「「彼」には会った？黒髪が綺麗でしょう？
あなたを駅に送った時に一瞬誰かに見られていたような気がして…。
最近こちらが危ないみたいなのよ。
お手紙送るのはもうちょっと待ってちょうだいね。」
離れて少ししか経っていないのに懐かしく感じるフィガロの声。じんわりと心に広がる暖かい声。
それよりもAは思う。
フィガロが、私が外に出たことで、危険に晒され、
「大丈夫」
それを見越したかのような声。
「まだ大丈夫、安心なさいな」
安心できない。
「まだ大丈夫なの」
いずれは
「そうね、いずれはきっと大丈夫では無いかも」
「でも、そう近くないわ」
いつも通りの声のトーン。
Aの考えを見透かしてくれる優しい声。
変わらないそのトーンに安心感を覚えつつも、フィガロが今どんな表情をしながらこの話をしているのか、知りたくし知りたくて仕方なかった。
「ほら、お嬢ちゃん。貴女はホグワーツで知識を吸収して、素敵な仲間を作ることだけを考えてなさい。
私の家の事なんてどうでもいいのよ。
まだ未成年、ホグワーツに来て1週間も経っていない魔女が一人前の魔女みたいなこと考えなくていいの」
第一優先はAの心配ばっかり。
彼女の方がよっぽど大変なのに、
いつの間にか声は聞こえなくなっていて、魔法が解けていたのだなと気づく。星空は先程と変わらずキラキラ輝いている。
けれどブラック家の魔の手はじわじわと近づいてきているのだという事実を知った今、星の光はこの先の未来を不安定に照らしてるようにチカチカしていた。
グリフィンドール生のシリウス・ブラック。
彼がどこまで信用出来る少年なのか、分からない。
入学式の時に囁かれた「俺は違う」の真意は何なのか。
でも、その好奇心に呑まれてはいけない気がする。
彼にはきっとなるべく近づいてはいけない。
どんなに良い奴だったとしても、ブラック家であるという事実は変わらない。
級友にこんな気持ちを抱きながら、学校生活を送らなければならないことの苦しさをAはまだ知らなかった。ただただ、彼女の安全を願うばかりだった。
あぁ、誰かフィガロを護って。
私の師匠をぜったい殺さないで。
たった一人の大切な家族なの。
お願い。
流れ星はもう流れてくれなかった。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
