偉大なる悪魔様の非日常的日常(仮) (ページ23)

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楽しい洞窟探検。(本編)その6 ページ23

「一方、こちら右の道チームでス」

「……誰に向かって話してるんだろ？」

「ガレット、見ちゃダメだ！
俺ら2人で早く先に進もう」

「ノリが悪いですネ……」

だいぶ歩いたが、特に音沙汰無し。
あるのは水と光るキノコとかのみだ。

毒の症状はどんなものかよくわからないけど
2人とも特に変わった様子はない。

ラビジは光る生き物の採取を
ブツブツ文句垂れながら行っているし、
ガレットも早く先に進めるように
採取の手伝いをしている。
どちらも素手で触ったりしてないが、
胞子などの見えにくいものが毒だった場合が怖い。

さっきから奥の方から風が流れてきてるし、
嫌な予感しかしないんだよな……。

「……ねぇ、ラビジ。
僕もう疲れて眠いよ……。
早く進もう」

「んん……待ってくださいヨ。
もうちょいですから、ネ」

「もう、置いてっちゃうからね。
らいむ、行こう。
僕もう眠い……」

「んー、時間の感覚がわからないけど、
まだ昼間だと思うよ？
ちょっとおねむの時間早すぎるんじゃないか？」

「疲れたからかな……？
そんなことより、早く行こう。
きっと向こうでみんな待ってるよ」

「……そうだな！
なぁ、ラビジ。
俺達先行っちゃうよ〜」

返事なし。
……よく見れば採取してるはずの手も止まってる。

嫌な予感がしてラビジを揺すろうとする。
しかしその手がラビジに触れる前に
その体が横に倒れる。

「…………ラビジ！？」

首に手を当て、脈をとる。
……よし、脈はあるな。
呼吸の乱れ、痙攣なども無し。
たぶん寝てるだけだ。
専門家じゃないからわからないけど。

ガレットの様子は……大丈夫、倒れてない。
むしろラビジが急に倒れたことからか
若干目は冴えたようだ。

何が原因だ？
光る生き物が原因だとしたら胞子だとか
その辺の空気に紛れるやつが原因だろう。
ラビジもガレットはちゃんと防御していたから。
……口鼻以外は。

なら、
口鼻から侵入した可能性が高い。
おそらく気体だろうな。

だとすると……奥の木が原因か？
あの木の一部が水に触れると
無色無臭のガスが発生するらしいし、
奥から風が吹いてくるから
花粉とかが運ばれてきてもおかしくないし、
水ならいっぱいあるから可能性はありえる。

「ガレット、
おそらく空気に何か混じってるから
とりあえずハンカチかなんかで口と鼻に当てとけ」

「……わかった」

素直にハンカチを口と鼻に当てるガレット。
んー、素直でいい子だね、君は。