偉大なる悪魔様の非日常的日常(仮) (ページ22)

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楽しい洞窟探検。(本編)その5 ページ22

……やってしまった。

分断されてしまった。
特にらいむとボリジが分断されてしまったのは
ボリジの精神面とコミュニケーション面で
大ダメージだ。

しかも厄介なことに、
らいむの方にラビジがいる。
これは大いにまずい。
ボリジが。

「ん！」

いや、何言ってるか
おれにはわかんないんだよボリジー！
めっちゃ怒ってるし
イライラしてるのはわかるけど
それ以上はわかんないんだよー！！

とりあえず僕の襟から手を離して！
胸ぐら掴んだままブンブン振らないで！！

「はいはい、落ち着いてボリジ。
兎にも角にもどっちの道も同じ奥に通じてるんだ。
そっちかららいむを迎えに行けばいいじゃないか」

「ん！」

「アタシもアンタが何言ってるかさっぱりだけど、
アンタがどれだけらいむを心配してるかは
わかってるつもりだ。
早く駆けつけてやりたい？
でも、この塞いでる岩を退かすのは流石に無謀だし、
壁を壊すのも得策とは思えない」

「あの看板が本当なら、
先を進めば同じ場所に出るはずだし、
そこで合流すればいいと思うよ」

そういうと、
冷静になったのかボリジはおれから手を離す。
そして小さく「……ん」って呟いた(？)。
たぶんこれは、謝ってる……と思う。
幼馴染の勘、みたいな。

「ボリジも落ち着いたみたいだし、
先に進もうか」

さっきまでのただ真っ暗だった通路とは違って、
光るキノコやらなんやらがあって
道がぼんやりと照らされている。
これなら通りやすそうだ。

……ラビジがこれをみたら
めちゃくちゃはしゃいでただろうな。

そんなことを思いながら、
光る生き物を観察しつつ歩を進める。

カチッ

……ん？
今、なんか変な音が……？

「ん！！」

「うわっ！？」

ボリジに襟を引っ張られ
後ろに仰け反った瞬間、
ﾋｭﾝと鼻先に何かがかすった。

……ボウガンの矢だ。

血の気が引いていくのが自分でもわかる。
リアルSANチェック入ります。

やけに冷静な声でアンゼリカが
「これは罠だね。
そこら中にあるみたいだから周りに気を配るんだよ」
とボウガンの矢が出てきた所を観察してる。

なんでそんなに冷静なんだよ。

「ん」

やれやれと言いたげに
ボリジが壁に手をつく。

カチッ

「あ」

「あ」

「…………」

ゴゴゴゴゴという地鳴りが背後から聞こえる。
ゆっくり振り返るとそこには、
巨大な岩がこちらに向かって転がってきていた。

「「走れええええええええええ！！！？」」

なるほど。
体の試練とはこのことか。