楽しい洞窟探検。(直前編) ページ17
「さて、集まったね」
メンバーは全員で6人。
アンゼリカ
ボリジ
ラビジ
ロベッジ
俺
そして、
ガレット･エスカロップ。
「ラビジが連れて来たかった子って
ガレットのことだったんだ」
ガレットは
ボリジの右隣の席に座ってる
10歳くらいのエルフの男の子。
首元の痛々しい血の滲んだ包帯が
嫌というくらい印象的だ。
「たしかこの中じゃ、
ガレットは実家暮らしだったよね。
アンタ、お家の人に言ってあるかい？」
「言ってないけど、別にいいよ」
「……あんましつこく言わないけどさ、
心配だけはかけるんじゃないよ」
「うん。
わかってる」
入学してから思ってたけど、
この子、表情筋ないのかなってくらい
表情動かないね。
目を見ようとしても、目は合わないし。
ずっと俯いてる。
正直やりにくい。
何考えてるのかわかりにくい。
どうコミュニケーションを取ったらいいのか。
田舎で閉じこもってた俺にはちょっと難しすぎる。
「……さて、
この洞窟の特徴について
もう一度確認するからね」
一応それぞれ事前に確認してきたが、
念の為というわけだ。
1つ目に、
この洞窟は光を拒むこと。
光属性の魔法や、ランタンなどの明かりなど、
意味は成さないらしい。
2つ目に、
この洞窟の植物は全て何かしらの毒があること。
特に奥にある光る木の1部は
水に触れると特殊な無色無臭のガスが出るので
要注意が必要だ。
「大丈夫？
ちゃんと頭に刻んでおいてね」
「OK、任せろ」
「ちゃんと覚えたよ」
「まあ、ワタシ、
頭の良さだけが取り柄ですから？」
「僕も、覚えた」
「おれもバッチリ覚えたよ」
「それじゃ、
いざ、出陣！」
俺達は〈光なき洞窟〉へ1歩踏み出した。
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作者名：鞦韆少年 | 作成日時：2018年12月9日 19時
