偉大なる悪魔様の非日常的日常(仮) (ページ15)

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楽しい洞窟探検。(準備編) ページ15

「いやー、アンタ強いね！」

休み時間、
アンゼリカが突然話しかけてきた。

まあね。
なんてったって、
偉大なる悪魔様だから。

「アタシ、見事に完封されちゃったし…。
正直貧弱そうだと思ってたからびっくりしたわー」

「そんなに貧弱そうに見えるかな……」

「まあ、結構？
細いし、薄いし。
そのくせ背が高めだからヒョロってして見える。
極端に言えば、もやし」

「も、もやしっ！？」

そこまで貧弱そうかな！？
……まあ、
貧弱そう→弱そう=悪魔じゃない
ってなるならいいけど……。

「そこでだ！
是非ともらいむには、これに協力して欲しい！」

と、言われて差し出された
何かやたら調べたことが書かれてる紙を見る。
ええっと、なになに……。

……〈光なき洞窟〉？

「洞窟探検だ！」

にかっと笑うアンゼリカの笑顔に
不安が抑えきれない。

これが俺の学校生活を
破天荒にするきっかけだということを
この時の俺はまだギリギリ気づいてなかった。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

「5～6人くらいで行きたいから、
あと3～4人メンバー募って！
どんな人とかはアンタに任せるわ！！」

との、お達しである。
とりあえずちょっと募ってみるか。

「ねぇ、ボリジ」

相変わらず俺が話しかけると
周りに花を撒き散らす勢いで笑顔になるボリジ。
なんだコイツ、かわいいな。

「あのさ、
アンゼリカに誘われたんだけど
洞窟探検してみない？」

「らいむも行くなら行くよ」

「おっけー、まずは1人目」

「1人目？
ってことは、
キミはオレをいの一番に誘ってくれたんだね。
嬉しいな……」

……なんか、
日に日に愛の重さが悪化してる気がする。

ま、軽い愛より全然いいか。

「アンゼリカにね、
あと3人くらい集めるように頼まれてるんだけど
誰がいいと思う？」

「ラビジは誘わない方がいい！」

「うぉ、突然大きな声出すなよ。
びっくりしたわ……。」

「ご、ごめん」

しょんぼりするボリジ。
かわいいかよ。
……なんかボリジって犬みたいだなー。
とか思いながら、ボリジに尋ねる。

「なんでラビジは駄目なの？」

「洞窟探検って言ったら危険が付き物だろ？
アイツ、基本的に戦力外だし、
それに、
アイツはキミの事を狙ってるから。
理想がどうとか言ってさ
暗闇の中で後ろから刺されたり
何かされちゃうかも……」

「いやいや、
ラビジが自分の腕を切り落とすようなやつでも
流石にそれは……」

「あレ？
呼びましたカ？」

ぎゃっ。
本人登場。