嘘吐きは一途である (ページ9)

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そんな中，Aが口を開く。

『それにしても，やけに静かじゃない？
まるで魔法で人避けされているみたいに…』

ふわり，純白の羽根が舞い落ちる。
そこに現れたのは白の羽根を生やした女，いわば天使だ。

「さすがは元，『混沌』稀代の魔導師だな」

驚くフィオ。
如何やらフィオの関係者であるその女は見覚えがあった。
熾天使のモンテ・ブラサイト。
憎たらしい相手の一人だ。

「そいつらから離れなフィオ。
姿は子供だが魔力の波長で分かるぞ。
そいつらは大災厄と混沌…，あの悪の大魔導師『ターフェアイト』と稀代の魔導師『A・マントゥール』，その生まれ変わりだ。」

その事実は余りに突拍子も無いものであった。
困惑の色をフィオは見せる。

「え？た，ターフェとAが？
あの悪の大魔導師と稀代の魔導師の？
生まれ変わりの術なんて聞いたことが…」

その言葉は最後まで聞けるはずも無かった。
人質にとる様にフィオを抱え込み，Aの腰を引き寄せるターフェ。
彼は余裕そうな笑みを浮かべている。

「…だからどうした？
お前たちがフォリアの生まれ変わりであるこの青茄子を守っている可能性は考えてはいた」
『だから，ターフェは保険を掛けた』

『保険』という言葉にたじろぐモンテ。
そして，その答えは導き出される。

「まさか呪い…！？」
『そう！私たちが死ねば，此奴も死ぬ』
「命を共有させる魔法契約を結んだのさ。
今度は逃がさないぞ」
『文字通り，最期まで』