嘘吐きは一途である (ページ6)

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「彼らは一体？」
「さぁ？人身売買でも始めようって奴等じゃないかい？」
『珍しくも無いよねぇ…』

昔からそう追われているのかとフィオが問いかければ，彼は簡単にそのことについて答えた。
仕方ないと続けたその時，フィオは振り返る。

「色々な人から狙われるのは…，誰だって怖いよ！」
「おい！？」
『ちょっ！』

そのまま説教を始めるフィオ。
そんなものを聞くほど聞き分けの良い者でもない。
その為，再び魔力が込められた。
放たれたそれは，弾き飛ばされ消滅する。

「やっぱりバディの君たちだけには，嘘は吐きたくない。
私，入学試験も受けてないですし，『喋り方』も『名前』も…，偽り何です」

彼女は語りだす。
自分は何者なのかを。

「フィロ・フィオール・フォスフォール姫殿下っすよ！」

男の声が響いた。
今回も前回も，不幸続きなその様子にターフェは嗤う。
今回も苦労しそうだと，Aは思う。

「あの光輝く杖が…，手にしたものに絶大な力を与えるという，国宝『黙示録』ってわけか」
「えぇ！？アニキ大丈夫なんすか！？
俺達ぼこぼこっすか！？」

慌てる様子のふたりに，フィオは声高々と宣言する。

「知っているなら早いですね。
この場から引いて頂きます！」