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八夜 ページ9

「……っ、ん…」

目を開けると、辺りはしんとして真っ暗だった。
さっきまで自分が何をしていたか、思い出すまで時間がかかった。


まだ少し息苦しい。

ベッドから身を起こして、助けてくれた彼の姿を探す。


冷たい床に裸足で足を付けると、くらっと一瞬意識が飛ぶ。ぺたりとその場に座り込む。


「…っ、はぁ…かい、と…何処、」


部屋の外にでも行ってしまったのかと、ドレッサーの椅子に捕まり立ちして、少しずつ歩き部屋のドアを開ける。


「っ、あ…」

バランスを崩し、そのまま倒れ込む。
冷たい床に身を打ち付けたせいで、ぴりぴりと肌が痛む。


「げほ、っ」


踏んだり蹴ったりで、もう嫌になる。


「おい、A!何やってんだ」


向こうから快斗の声と足音が近付いてくる。
そして傍へ片膝をついて私を抱き起こす。


「まだ毒が抜けてねぇんだろ、大人しくしてろよ」


「…起きたら、快斗が、居なかったから…」

彼の胸元に縋る。
こんな、弱々しい所は見せたくなかったのに…


「そ、そうか。悪かったな…何か使えるもんねぇか探させて貰ってたんだ。誰も居なかったからな」


「…ごめん、なさい…」


「さっきもだけどよ、何でお前が謝んだ」

何だか温厚な彼の瞳が、今日はより一層爛々と光っている気がする。
やっぱり、不甲斐ない私に呆れて……


「だ、大丈夫…私、一人で…」


呆れられるのは、嫌…
彼には、彼にだけは……


快斗の胸元を掴んでいた手を離し、押す。


「おい、A」

そのまま立ち上がって、大丈夫だと言うことを示そうとするもふらりと揺れた体は逆戻り。


「何やってんだ、」


「…呆れないで…一人で、立てるから…だから、見捨てないで、」

もう、気が動転して焦点が合わない。
どんどん、呼吸の仕方も忘れていく…


「A、落ち着け。深呼吸しろ」


耳元で、声がする。

次いで抱き締められ、髪を梳かれる。


「俺はお前を見捨てたりしねぇよ、心配してるだけだ」


「…っ、快斗…」


「ベッドに戻んぞ?…お前熱上がってる」

不意に額に触れられ、そのまま身を預ける。


「…ありがとう…快斗…」

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蘇澳(プロフ) - 絲さん» 飛んできてくださってありがとうございます!よろしければまた読んでやってくださいませ〜 (4月25日 23時) (レス) id: 92b4cb2eaf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新通知を受け、すっ飛んできました…本当に大好きな作品なので、続編とっても嬉しいです( ; ; )楽しみにしてます♪ (4月25日 0時) (レス) @page43 id: 86d7744b06 (このIDを非表示/違反報告)
シアん。 - 軽く23回咳き込んだに見えてしまった (8月19日 8時) (レス) @page8 id: 2170ff9ae1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この小説私得だ…めっちゃ好きー。言葉に表せないくらい好きです!これからもがんばってください! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - チイナさん» 私の拙い文章にそこまで言ってくださって本当にありがとうございます…!チイナさんのお言葉に感動して涙が出ました…そこまで私の作品を楽しんで下さりありがとうございました!感謝でいっぱいです! (2019年7月24日 19時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年4月15日 7時

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