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十二夜 ページ13

「い、いやですわ…そんな事…」

隣にキッド本人が居るのに…


「忘れたとは言わせませんぞ、あんな事を言ったのは貴方が初めてですからな」


「なぁ、あんな事って何だよ。何言ったんだ?」

快斗が傍に寄ってそっと耳打ちする。

「…なんでもないわよ!私もう行くわ、後で落ち合いましょ」


「だから、エスコートするっつってんだろ?…お手をどうぞ?A嬢」


もう……この人は…


「…ありがとう」

ため息をついて微笑むと、彼の腕に自分の腕を絡める。
そして後ろを振り向き、


「こんな状態で悪いんだけど、彼を借りてもいいかしら…青子さん」


何か言われるかなと怪訝な顔で聞いてみる。

「……あぁ、はい!大丈夫ですよ!そんなバカで良ければ!」


「馬鹿だなんて、そんな事無いわ……。それでは、お二人もそろそろお乗りになって下さいね」


そちらへ軽く会釈をして、船内へ向かう。
そう言えば、園子は何処かしら…


「ん、誰か探してんのか?」


「え、えぇ…鈴木財閥のご令嬢何だけど……あっちも大勢で来てると思うのよね」

きょろきょろと快斗と周りを見回していると、


「あら?Aじゃない!」


最近聞いていなかった、少し高めの声が聞こえる。
その方向を見てみると


「そ、園子!」


「……ゲッ」

隣にいた快斗が渋い表情する。その目線の先には小さな男の子達。子供が嫌いなのかしら?


「いやぁ、久し振りね〜A」


「そうね、1年くらい会ってなかった?」


「あらぁ、隣の彼は誰よ?真逆、彼氏だったりして!」

か、彼氏ぃ!?


「ち、ちょっと!やめてよっ、そんなんじゃ__」


「はは、すみませんね。彼女は恥ずかしがり屋でこんな公然の場で気付かれたのを恥ずかしがってるんですよ、」


「ちょっ__」

半分まで出かけていた反抗の声は、奴の人差し指によって阻まれた。


「ね、A」


奴の有無を言わせない男らしい目力と艶やかな笑みに、思わず頬を染めてしまう私。

ちらりと園子と隣にいた同い年くらいの女の子を見ると、二人とも目がきらきらと輝いている。


「……っ、えぇ…」


「もうっ!そんな話聞いてないわよ、いつの間に彼氏なんて!」


「…あぁ!この話は終わりよっ、お連れの方達の紹介をして頂戴よ園子」



「後で尋問するからね。そうね、えぇと」

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蘇澳(プロフ) - 絲さん» 飛んできてくださってありがとうございます!よろしければまた読んでやってくださいませ〜 (4月25日 23時) (レス) id: 92b4cb2eaf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新通知を受け、すっ飛んできました…本当に大好きな作品なので、続編とっても嬉しいです( ; ; )楽しみにしてます♪ (4月25日 0時) (レス) @page43 id: 86d7744b06 (このIDを非表示/違反報告)
シアん。 - 軽く23回咳き込んだに見えてしまった (8月19日 8時) (レス) @page8 id: 2170ff9ae1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この小説私得だ…めっちゃ好きー。言葉に表せないくらい好きです!これからもがんばってください! (2019年11月3日 22時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - チイナさん» 私の拙い文章にそこまで言ってくださって本当にありがとうございます…!チイナさんのお言葉に感動して涙が出ました…そこまで私の作品を楽しんで下さりありがとうございました!感謝でいっぱいです! (2019年7月24日 19時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年4月15日 7時

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