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変化 ページ10

「…あの時君もそれを了承した筈だ。僕との約束を違えたってことかい?」

喉元を誰かに押さえられている感覚。
私、殺される…


「…た、違えた訳では…」


「話を聞こう、さあ中へ」

瞬間、手首をぐっと掴まれ屋敷の中へ引き込まれそうになる。


「何のつもりだ立法」

私と立法様の間に割って入ったのは、晴齋だった。


「彼女と話があるんだよ」


「元々此奴はここに来んの乗り気じゃねぇ。お前に紹介したらすぐ帰るつもりだったんだよ、離せ」

そう言った晴齋の表情は恐ろしくて私でも怯んでしまう。


「はぁ……分かったよ。今日は離そう」

良かった、とそう安堵した瞬間。


ぐいとより一層強く引かれ、立法様が耳元で呟く。


「今日は離そう。またそんな感情を晴齋に持ってみろ、今度こそ君を殺そう」


そしてふう、と息を吹き掛けた。
私はせめてもの抵抗として立法様を睨み付け駆け出した。


っ……、如何して、


なんて事を……


________________

最近、Aの様子がおかしい。
立法の所へ行ってから、特に。


今日も一人で何処かへ行きやがった。


物思いに耽っていると、風鈴が音を立てる。


『Aと昔、何かあったの?』


「…少しな」


彼奴は覚えているんだろうか、あの呪いの言葉。


____________

はぁ………駄目ね、何時までもこんなじゃ。


折角、晴齋と一緒には居られるんだから。


そろそろ帰りましょう。

適当なところへ入って戸を開ける。


草履を脱いで上がる。


「ただいま、」


「おう。明日依頼手伝え」


「分かったわ、どんな依頼なの?」



「妖を隠世へ送る」


「そう…」

あぁ髪が邪魔ね、結い上げましょう。


貰い物の簪を二、三本取り出して長い髪を纏める。


「お前簪なんて持ってたのか」


「あら、女だもの。当たり前でしょう?」


「そうか…」


其の儘うーん、と考え込む晴齋。


本当、面白い人ね。

少しずつ近付いて→←久々の隠世



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EMIKO(プロフ) - はい!!大丈夫です!! (2019年4月1日 19時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» 本当にありがとうございました!イラスト載せさせて頂いてもいいですか? (2019年4月1日 18時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年4月1日 18時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ!ありがとうございます!とても嬉しいです! (2019年4月1日 17時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - 描けました!!想像と違ったらすいません、、、 (2019年4月1日 17時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年1月28日 8時

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