思わぬ救い ページ16
「龍さん…っ」
すぐ様駆け寄ると、彼も驚いた顔をして
「お前何だってまたこんな所に…足抜けしたんじゃねぇのか、」
「……訳あって、また売られてしまいんした…」
涙が溢れてきた私の涙を拭い、彼は耳元で囁いた。
「またお前をここから出してやる、物怪庵の主なら依頼を受けてくれる筈だ」
「晴齋…？」
「知り合いか、なら話は早い。少しの辛抱だぜA」
私は静かに頷き、笑みを貼り付けた。
「まあ、素敵な品ばかり。女将さんどれでも良いんしょう？」
「もう、せっかちだねぇ淡藤」
「姐さんは淡藤と言うのか、そいじゃあ小紫や藤はどうだい？」
私は待っているだけでいいのかしら、
________________
「俺も行きます、人探しは一人より人数が多い方がいいに決まってます！」
「……そうだが、」
『イツキ、ハナエの言う通りよ。Aを早く見つけたいでしょ？』
「……芦屋、」
「はい！」
「一緒にAを探してくれ」
「勿論です！すぐ行きましょう！」
だが手掛かりがねぇ……
それに、彼奴は自分の意思で消えたんじゃないのか…？
くそ、
馬鹿、A。
_______________
私に触れてくる男が居ないのがまだ救いだ。
なんだか胸騒ぎがする。
良いことか悪いことか分からないけど。
煙管を咥えて障子を開け放つ。
縁に座り、ぼうっと外を眺める。
ほんと変わらないわね、毎日毎日。
何だか遊女が騒がしい、何かあるのかしら。
煙い息をふう、と吐いた。
_________________
「お前さん、物怪庵の安倍だな？」
反物屋の前を通り縋った際、急に話しかけてきたのはその店の店主で、中々の焦りようだった。
「そうだが、何か御用か」
「あんたAは知ってるな？彼奴が今大変な事になってる」
「何か知っているのか！頼む、教えてくれ」
「分かってらァ。Aは今廓に居る。売られたそうだ」
「廓だと…」
「安倍さん！」
「あぁ！」
何やってる、A……！
廓へ着くと色々な妖が行き交い賑わっている。
「安倍さん、ここって……」
「長居は無用だ、Aを探すぞ」
人混みに紛れながら視線を巡らせる。
くそ、ここ迄人が居ると何も分からねぇ。
少し人が少ない往来へ出ると、一つの見世に人が集まっている。
「あれが淡藤か……ほんに美しい」
「雪女、らしいぞ」
雪女だと……？
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EMIKO(プロフ) - はい!!大丈夫です!! (2019年4月1日 19時) (
レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» 本当にありがとうございました！イラスト載せさせて頂いてもいいですか？ (2019年4月1日 18時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年4月1日 18時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2019年4月1日 17時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - 描けました!!想像と違ったらすいません、、、 (2019年4月1日 17時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年1月28日 8時
