廓 ページ15
目を開けると、そこは見知らぬ部屋。
いや、昔居た場所。
「売られた……あ！風呂敷…っ、」
ぱっと起き上がると枕元に無造作に置かれた風呂敷があった。
「あぁ良かった……」
風呂敷をふと撫ぜていると、
「起きたかい、」
女将と思わしき人が入ってきた。
「まずご楼主がお前に会いたいんだと。あたしに着いてきな」
短く返事をして、女将へついて行った。
「おぉ、お前かい。美しいねぇ」
「楼主、この子どうしようか」
「お前は藤の色が似合いそうだねぇ。名は淡藤としよう」
淡藤……
「わっちは誰の下に付けば、」
「お前はもう客も取れるだろう、座敷持の花魁として今日からやってくれ。すべき事は全て知っているだろ？」
「へぇ、今日からよろしくお願いしんす。ご楼主、女将さん」
「うん、宜しく」
また、籠の中の鳥に成り下がってしまった…
あぁごめんなさい、晴齋…
__________________
可笑しい、一日経ってもAが帰って来ない。
出て行ったとも考えたが、彼奴はそんな事はしないと言った。
隠世に行ったことまでは分かってる。
明後日の土曜にでも、探しに行ってみるか。
『イツキ、Aが心配？』
「…あぁ、今すぐにでも探しに行きたいが生憎学校なんて面倒なもんがある」
『…A……馬鹿ね…』
______________
「楼主が言った通り、お前は藤が似合うねぇ。大枚払った甲斐が有るよ」
「でもわっちは雪女。そんなわっちと一夜を共になんて思う殿方が居るとは思いんせん」
「大丈夫さ、お前は美しい。その場にいるだけで良いんだよ」
こんな豪勢な打掛けも私の目には樟んで見えてしまう。
「明日には道中があるから頼んだよ。入って数日で花魁になれるくらいうちは女が足りないのさ」
「……そうでござんすか」
そんな事言われても何も思わないわ
あぁ逃げ出したい、彼の人の隣へ戻りたい。
でも、戻る事なんて許されない。
あの人が見ているから。
道中にて私の顔と名は広まり毎日宴ばかり。
疲れ果て、障子を開け賑わった外を見下ろす。
今は何日？
晴齋はどうしている？
大きな溜息をつく。
暫く氷で遊んだり、結晶を遊ばせたりしていたけどそれにも飽きていた時、
「淡藤、反物屋を読んだから好きなのを選んどくれ」
まさか……
ゆっくり下へ降りていくと、そこには見知った顔が。
「龍さん……」
思わず涙が溢れた。
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EMIKO(プロフ) - はい!!大丈夫です!! (2019年4月1日 19時) (
レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» 本当にありがとうございました！イラスト載せさせて頂いてもいいですか？ (2019年4月1日 18時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年4月1日 18時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2019年4月1日 17時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - 描けました!!想像と違ったらすいません、、、 (2019年4月1日 17時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年1月28日 8時
