贈り物 壱 ページ13
「私も学校、てのに行ってみたいわ」
「え？」
「はぁ？んな面白いもんじゃねぇぞ」
「いいじゃない、私の事見えない人ばかりなんでしょ？」
「……面倒事は御免だぞ」
「はーい、わかってまーす」
モジャを抱っこして、晴齋に続き躙口を潜った。
「まぁ、こんな所なのね。何だか普通」
「だから何もねぇって言っただろ」
「誰かに取り憑いてみようかな」
「え！Aさん！」
「だから面倒事は御免だと言った筈だ」
「ふふ、冗談じゃない」
あぁ、そうだわ思い出した。
彼の羽織、繕ってあげようと思っていたのだった。
「晴齋、私帰るわ。あと少し隠世へ行ってくるから」
「あ？あぁ…ちゃんと帰って来いよ」
「そんな消え方はもうしないわよ」
軽く笑い合って、近くの戸を開けた。
『早いわね、A』
「えぇ、思い出した事があって。急いで仕立てなくちゃ…」
物怪庵に全て言い伝え、隠世へ繋げてもらう。
『気を付けてね、早く帰ってくるのよ？』
「えぇ、行ってきます！」
少し歩いて、世話になっている反物を扱う店に立ち寄る。
「おぉ、久しいなA」
「ふふ、お久しゅう龍さん」
この人は私が廓に居た時に着物を仕立てて貰ったりしていた人。会うのは久しぶりね。
「今日は如何したンだ？」
「お客に決まっていんす。今日は羽織を繕おうと思って…」
「そうかい、最近来てなかったから少しまけてやるぞ。お前は色白だからな、浅葱なンてどうだ？」
早速美しい反物を広げていく龍さん。
私も仕立て直そうかしら…なんて思ってしまう。
「あぁ、今日は私のじゃ無くて贈り物なんでござんす」
「ほお…お前に贈り物させるなンてさぞかし良い男なンだろうなァ」
「や、嫌ですねぇ…」
龍さんは今し方広げていった反物をしまって、男物の反物を出して行った。
「蘇芳か嵯峨鼠、熨斗目……なんて如何でありんすか？」
「明るい色を着せたいのか、」
「紅唐ばかり着てる人で…」
「紅唐か、中々良い趣味してる人だなァ。そうだと矢っ張り蘇芳は絶対に似合う筈だ」
どれもこれも、全て似合いそう…
羽織だけじゃなくて、長着も繕おうかしら…
いえ、駄目ね。
私が本当に贈りたいのは羽織なんだから
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EMIKO(プロフ) - はい!!大丈夫です!! (2019年4月1日 19時) (
レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» 本当にありがとうございました！イラスト載せさせて頂いてもいいですか？ (2019年4月1日 18時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年4月1日 18時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2019年4月1日 17時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - 描けました!!想像と違ったらすいません、、、 (2019年4月1日 17時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年1月28日 8時
