出逢ゐ ページ2
彼の人が居ない。
ずっと傍に居ると、然う云った彼の人が。
涙が溢れて止まらない。
顔を覆って泣いていると誰かが私の肩に触れた。
「濡れるぞ、」
綺麗な金の髪、まだあどけなさを残す幼子が私に傘を差し出す。
居なくなった彼の人と何処か似ていて、また涙が溢れる。
「う、如何した…俺、何かしたか…？」
おどおどしながら私の顔色を伺ってくる彼はとても面白くて、不意に笑ってしまう。
「貴方、面白いのね。名前は？」
「安倍晴齋。物怪庵の奉公人だよ」
「子供なのに凄いわね」
「はぁ？お前も子供じゃん」
嘘！
あ、涙と一緒に霊力も流れ落ちてったのね…泣くなんて久し振りだったから…
「私はA。晴齋とは縁が繋がっていそう、宜しくね」
「おう、宜しく」
______________
肩を叩かれる。芦屋か。
餓鬼ん時の夢か？
そう言やあの時の雪女、如何してんのかな
芦屋がニヤけた顔を向けてきた。
ムカついたから引っぱたいた。
「今日はどんな仕事なんですか？」
「今日は隠世に行くぞ」
「また薬ですか？」
「それもあるが、あっちに出向かなきゃ何ねぇんだよ」
あ、客雪女だ。
______________
亀薬堂に着くと、何やら通りが騒がしい。
薬を受け取ると店の中から通りを覗く。
そこでは真白な雪女らしき女がそこらのごろつき三人に絡まれている所だった。
「辞めてくんなんし、私は之から客人と逢う約束が…」
「良いじゃねぇかそんなのはよぉ、んなのほっといて俺達と遊ぼうじゃねぇか、」
「っ……このままじゃ間に合わないわ…。彼の人、噂に聞くと凄く怖いみたいなのよね…」
「さっきからそう言ってるけどよ、その客人とやらは誰なんだ？其の相手が下らねぇ相手だったら俺達と遊ぼうぜ、」
「物怪庵の主よ」
あの雪女が客……
ん、待てよ…見覚えがある
「芦屋、此処で待ってろ」
芦屋が素っ頓狂な声を上げて居るのが後ろから耳に入る。
雪女に向かって歩いていくと、ごろつきが声を掛けてくる。
「あんた誰だ、手ぇ出してくんなよ」
「痛い目見てぇのか？」
「うちの客に何用だ」
ごろつきの顔が真っ青になっていく。
その隙に雪女の方を振り向く。
息を呑む。
「A、久し振り」
「っ…晴齋！」
Aは駆け寄り、抱き着いた。
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EMIKO(プロフ) - はい!!大丈夫です!! (2019年4月1日 19時) (
レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» 本当にありがとうございました！イラスト載せさせて頂いてもいいですか？ (2019年4月1日 18時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年4月1日 18時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2019年4月1日 17時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - 描けました!!想像と違ったらすいません、、、 (2019年4月1日 17時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年1月28日 8時
