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『……ん、』


久しぶりに目覚めがいい。凄い、頭痛くないし体もいつもより軽い。


「Aさん、気が付きましたね……良かったです大事なくて」


ゆっくり起き上がればそばに居たのは佐伯と、恐らく社長であろうその人。


『…初日から、申し訳ありません…それにこんな姿で、』


「気にしないで、そのままで良いよ」


それから社長が言ったようにそのままの状態で契約云々とか書類交したりとか、説明等を受ける。


「君には稼ぎ頭として、うちの白膠木と二巨塔になってくれる事を期待してるよ。その為にも今は休むんだ、良いね?」


『……白膠木簓は、この事務所でしたか、』



「そうだよ、知らなかったかい?」


知るわけないでしょ。

付き合ってる時も互いの仕事には関わらないを徹底していたから、事務所も知らない。情報も入れてなかったし。

理由としては熱愛とか出したくなかったからで。


まぁ、奴はそれを破った。加えて他の女と。


「Aさん、大人しくするって約束、ありますからね」


『…う。…分かってるわよ。…ではこれから宜しくお願いします』


頭を下げると、伸ばされた手と握手を交わした。体のこととか簓のこととか不安しか、ないけど。


______


体調がいい日はできるだけ出社するとの契約の元、今日は出社した。菓子折を持って。


『…あの、Aと申しますが、白膠木さんは今日いらっしゃいますか』


昨日のことで謝罪と礼を言いたくて、佐伯に奴のマネージャーを紹介してもらった。


「…あぁ、おりますよ。ちょっと待ってくださいね」


てか、あいつ、女のマネ雇ってたの。
少し睨まれた気もするけど、私の気のせいよね。



「…どないしたん」


少しして奴があの派手なスーツではないラフな格好をして現れた。


「これ。昨日迷惑かけたから。…ごめんなさい」


お菓子をさっと手渡すとよそよそしくお辞儀してから奴の返事を聞くことなく背を向ける。

何か言いたそうに表情を落とす簓を見ていたくなくて、ふっと視線を逸らしそのまま踵を返す。


何で私が悪いみたいな顔すんのよ。


まあいいか、これからは基本的に関わらないようにするんだから。

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- 続きが気になります…。 (2022年1月30日 17時) (レス) @page4 id: bb5d6f7102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2021年7月16日 21時

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