１０限目 ページ11
「怖かっただろ………気付けなくて、悪かった……」
抱き締める強さが増した。
「勝己は、わ、るくないっ………」
気付けば涙がはらはらと流れてきていて、急いで拭う。
「A、」
その手を、勝己が掴む。
あの男達と全然違う感触……
「一人で泣くな、俺を頼れ」
そして、私の瞼に、
そっと、口付けた。
「っ………！」
驚きが隠せなくて、目を見開く。
「わ、悪ぃ……」
勝己は腕で自分の顔を隠し、後ろを向く。
「勝己、助けに来てくれてありがとう…」
「あぁ、」
「ねぇ、まだ顔赤いけど？照れてるの？」
「う、うっせ！バカ！」
くすくす、と笑うと
「俺ァもう寝る！着替えっからそっち向いてろ」
「じゃ私も寝る、」
上下スウェットに着替え、ソファの上に寝転がる。
と、
「おい、やっぱお前こっちに寝ろ」
へ？どういう風の吹き回し？
「何で？あんなことあったから、とかだったら断るよ」
「何でだよ」
「助けてくれただけでいいの、あのときほんとにそれを必要としてたから。逆に功労者としてベッドで寝てよ」
「じゃあ、一緒なら問題ねぇか」
勝己は自分で納得したと思えば、私を抱き上げベッドへ下ろす。
そして自分もベッドへ潜り込む。
「ち、ちょっと！？勝己！？」
「俺らの仲だ、何も起こんねぇよ」
そりゃそうだけど………
「じゃあ問題ねぇだろ」
そして、リモコンを操作して電気を消した。
しばらく背中を向けていたけど、
勝己にくっつきたくなってきた。
おかしい話だけど……笑
勝己に敢えてなにも言わず、その広い背中にくっついてみる。
一瞬ぴくっと反応した勝己だったけど、何もなかったかのようにそのまま寝ている。
私はくすっと笑って、目を閉じた。
____________
「あら、やっぱり戻ってたわね」
合鍵をフロントからもらっていたためそれで中の様子を見る両親達。
視線はベッドの中ですやすやと眠っている二人だ。
向き合う形で寝ている二人。
「子供の頃となぁんにも変わってないわね、二人とも」
「ほんとね、いくら年を取っても子供がかわいいってのは変わらないわね」
二人の母親が微笑み合った。
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蘇澳(プロフ) - 麻衣さん» ありがとうございます！これからもかっこよく書けるように頑張ります！ (2018年11月17日 23時) (
レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
麻衣 - かっちゃん、かっこ良すぎます！もっと読みたいです！更新頑張ってください！ (2018年11月17日 23時) (レス) id: 19c8f39a90 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - いささん» ありがとうございます！そんなお言葉を頂けるなんて、とても嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2018年9月26日 7時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
いさ - めちゃ面白くて続きが気になります！がんばってください！ (2018年9月26日 0時) (レス) id: f49f96fb1c (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - 霜月さん» 続きを読みたい、等といっていただきありがとうございます！更新頑張りますので、これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2018年9月20日 20時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2018年9月6日 16時
