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『赤井さん…』


こんな時まで赤井さんに助けてもらうなんて。


「では俺はここで。資料有難く頂いていく」


『えぇ、こちらこそ』


軽く手を振って赤井さんが去って行く。

わたしもぺこりと頭を下げて仮を見送った。


そしてその場に残された私と降谷さんと西条さん。


降谷さんは何か訴えるように私を見つめて、ため息をつくように目を伏せた。

しかしそれに声を掛けようとした私の動作は、機微に敏感なかの人に阻まれる。


『あの、降谷さ__』


「零くん、報告、食事取りながらでもいいでしょ?」


その声に、零さんは私を一瞥すると「あぁ」と返して、去っていってしまった。


『…はあ、上手くいかないな』


ぷ、上手くいくってなんだし。


_______


『あーあ、今日はミスばっかり』


書類の記載ミスに数字違い、エトセトラ。
あとの引き継ぎの人にかなりの迷惑かけてしまったし…


『…あぁもう』

零さんの、あの呆れきった瞳が頭から離れない。
ざわざわと胸騒ぎが止まらない。


零さんへの恋心なんて捨ててしまえれば楽なのに。
昔の、私でいれたのに。


最初は自由を手に入れるために零さんに近付いた。
なのに、いつの間にか私は零さんを好きになっている。

しかも振られた後に気付く。


『…零さんに、会わなくなったら、この想いも、きえる?』


ぼそりと呟いて、自分の頭に浮かんだ考えにぞっとする。


……このまま政略結婚、すれば解決するなんて。


『…早く帰ろ、帰って寝よう』


疲れてるだけだ、なんてかぶりを振って帰路に着く足を早めた途端。


真横に黒塗りの高級車が停る。ふっと視線をずらせば、ガタンとドアが開き、ぬっと手が現れる。


しまった、と思った瞬間私の意識はぶつりと消え去った。


****

皆様お久しゅうございます。
一ヶ月もお待たせしてしまい申し訳ございません…

年末からずっと忙しく、浮上出来ておりませんでした。

そんな中お気に入り登録してくださる方も増え、評価して待ってくださっている方が沢山いて下さって、感謝しかございません…

今年も変わらず亀更新ですが皆様のお口に合うような作品にしてまいりますのでどうぞ宜しくお願いします!


遅ればせながら、あけましておめでとうございます

2021年が皆様にとって良い年となりますように。


では続きをどうぞ*

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ウミ(プロフ) - やばい。感情移入しすぎて泣いてしもた。 (2021年7月18日 8時) (レス) id: a500a044fa (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - !!!( ゚д゚)ハッ!!!!続きが気になります……!! (2020年12月22日 13時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2020年10月29日 23時

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