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道を通る歩行者からの視線が痛い。
それはきっと私が醜態を晒しているからだろう。
その醜態とは__
『お願いします！零さん、私と結婚して下さい！』
誰が見ても美しい顔をした金髪イケメンエリートに、
誰が見ても平凡な顔をしたパッとしない普通の会社のOLが、無様に頭を下げて結婚を申し込んでいる姿だ。
周りから見たらこれってどう映るんだろう。
下手したらストーカーとか、ヤバい女系に見られてないよね？
__申し遅れました、ただ今目の前の金髪イケメンに一世一代の告白をしてフラれるのが確定してる女こと、有馬Aと申します。
そして目の前の金髪イケメンは私の幼馴染、7歳年上のエリート警察降谷零さんです。
まあ、この一世一代の告白、もう十五回やってるんだけどね(笑)
でも物事諦めずにやってたらいつか奇跡は起きるものだと信じて、今宵も激務をこなし零さんの職場の前で出待ちをして十六回目の告白をしてる。
すれば先程まで固まっていた零さんの腕が持ち上がり、下げていた私の頭の上に大きな手のひらが。
そして形の良い唇が私の耳元まで下がってくる。
「断る」
低く、機嫌の悪い声が私の耳を通っていって、私は知らずため息をこぼす。まあ分かっていたけど。
「本当に飽きないな。それに何時間此処で待っていた？暇なのかお前の会社は」
私の前ではひくりとも動かない彼の表情筋。他の人の前ではそれが素晴らしいほど動くことを私は知っている。
『あはは、暇かも。激務終わりの23時から3時間待ってたんだもの』
やっと、下げていた頭を上げ幾分も高い彼の顔を見上げる。
「お前の激務の何倍もの激務をしてきた俺を労る気持ちはないのか」
『…少しは悪いと思うけど。でも零さんこそ私の勇気汲み取ってくれてもいいんじゃない？』
「嘘つけ。勇気なんて無いだろ、俺を想ってる訳でもないくせに」
うわ、痛いとこついてきた。それ言われたら何も言い返せない。零兄め。
『うぅ…でも、零さんには結構いい話だと思うけどなぁ。気兼ねなく本音話せて、恋愛感情も無いから色々と面倒じゃないでしょ？金銭面も問題なし』
歩きながら自販機の前まで来る。お、急に話さなくなった。勝った？と思えば
「そうだとしても、俺はお前の言いなりにはならない」
そんな冷たい言葉を吐き捨てて、彼は温かい缶コーヒーを私に手渡して頭を撫でて去っていった。
うわ、私の好きな銘柄のコーヒー。
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ウミ(プロフ) - やばい。感情移入しすぎて泣いてしもた。 (2021年7月18日 8時) (
レス) id: a500a044fa (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - !!!( ﾟдﾟ)ﾊｯ!!!!続きが気になります……！！ (2020年12月22日 13時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2020年10月29日 23時
