叶わない41 ページ4
その後、キヨ兄はなんだか少し変な様子で帰って行ってしまった。
正直、驚いた。
キヨ兄が急に「好きな人いるのか」なんて聞いてくるから。
私は内心、貴方だよって思いながら「いるよ」と応えた。
貴方だよって言いたかった。ずっと好きだったのって。初恋こじらせすぎてここまで来たのって。
でも、そんなこと言ったら貴方のこと困らせるの目に見えてるから。キヨ兄は優しいから、私のことも考えてくれようとするの、分かってるから。
『……私が、もっと早く生まれてたら』
そしたら、キヨ兄と赤い糸で結ばれてたかもしれないのに。
________
亜季 「ねぇA、この前の実況者さんたちが出てたイベント見に行った？」
大学に着き、亜季を見つけた途端亜季が嬉嬉として話しかけて来た。
実はそのイベント私も出てた、なんて口が裂けても言えない。私は、行けなかったーなんて寂しそうに言った。
亜季 「えぇー勿体ない！…Aの大好きなキヨさんめっちゃかっこよかったのに〜、ふふ」
『えぇ！良いなぁ、行きたかったぁ…』
知ってる。凄いかっこよかったし、面白かった。
亜季 「マジ、生きてて良かった」
『ふふ、亜季凄い大袈裟』
亜季 「いやほんとよ！Aもそう思うでしょ？」
熱く語る亜季に、まぁねなんて返していると、後ろから最近知り合った影が。
「おはよ。亜季、Aちゃん」
二人して振り向くと、そこには最近知り合った翼くんの姿。亜季はあからさまに嬉しそうに話し掛けた。
亜季 「そろそろ本気でAを狙いに来たの？Aは駄目よ！あんたみたいなのとは釣り合わないんだから」
翼 「だからそうじゃないって言ってるだろー？亜季も大概だなぁ」
『…ふふ、』
私は最近恒例化してきた亜季と翼くんの漫談のような会話に笑っていると、翼くんがくるりとこちらを向いて微笑んだ。
翼 「ねぇAちゃん、良かったらなんだけど予定のいい日に一緒に出掛けない？少し付き合って欲しいことがあって」
そんな事を言って私の方へ近付いてくる。そして、
翼 「…実は、亜季の誕生日のプレゼントを選びたいんだけど、それに付き合ってくれない？」
と、私の耳元でそう言った。
私は男の人が近くにいることに少し身震いしながらも、その話の内容に納得して、良いよと言った。
キヨ兄以外の男の人と出掛けるなんて初めてだなぁと思いながら。
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蘇澳(プロフ) - りぃ@l」ω=さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても励みになりました^^*更新頑張りますのでこれからも末永くよろしくお願いします！ (2020年3月2日 21時) (
レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ@l」ω=(プロフ) - 一気に読ませていただきました！すっごく面白いですー！キヨさんのこと、もっと好きになっちゃった…笑これからも投稿楽しみにしてますね！早く続き読みたいー (2020年3月2日 21時) (レス) id: b3c6beb7e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - しまちゃんさん» コメントありがとうございます！いつも皆さんに楽しんでもらえているか心配だったので良かったです！更新は変わらず遅いかと思いますが定期的に行うようにしますので、これからもよろしくお願いします！いつも読んでいただいてありがとうございます！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
しまちゃん(プロフ) - 初めて感想失礼します！楽しく読ませて頂いてます！次どんな展開になるのか楽しみで毎度読むのにワクワクしてます！待ち遠しくて最初から何回か読み返したりしました、、！ご無理のないよう、素敵な小説更新するの楽しみにしてます！ (2020年2月29日 20時) (レス) id: d2a5bc168d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2020年2月13日 20時
