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可愛い妹8 ページ37

Aの「出ていく」の言葉に、俺は薄く笑ってやることしか出来なくて


『…そうか』


と言って、熱いAの頬から手を離した。


そしてそのまま部屋へ戻り、ベッドに寝転ぶ。

でも、あの時確かに図星を指したと思ったのに、Aは出ていくと言った。


『…あぁ、訳わかんねぇ…』


お前は何考えてんの?A


_____________


A 「それじゃあ、お世話になりました」


それから一週間後、Aはそう言って出て行った。

世話になった礼だと、如何にも高価なブレスレットを置いて。


『A、困ったことあったら言えよ。俺はお前の兄ちゃん何だからな』


俺が何とか言ったその言葉に、うん、と笑顔で返事をした。

バカ、笑顔作ってんのバレバレだっつの。


A 「…イベント、楽しみにしてる。キヨ兄と、出られるの」


『…あぁ。俺も』


そこで玄関のドアが開き、Aが出る__と思った瞬間、


A 「…キヨ兄、この我儘だけ、聞いて欲しい」


俺が、ん?と声を出すより先に体に温かい温もりが。


気付けばAが、俺に抱き着いていた。

香水じゃない、A独特の良い香りが鼻を掠めて、心臓がどくりと大きな音を立てる。


『…A…』


Aは一層強く俺を抱きしめると、軽く笑って俺から離れていった。


A 「…ふふ、ありがとう。元気出た」


そしてなぜかごめんなさいと呟くと


A 「今度こそ。お世話になりました…家が違くなっても、私と、遊んでくれる…?」


こっちの顔色を伺いながらそう言うAが何ともおかしくて


『バカだな、当たり前だろ』


そう言ってやると、Aは笑って手を振って、ドアノブを引いた。


ガチャンと音がして、Aが俺の家から居なくなった。


なぜか、何かが抜け落ちた感覚がした。

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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます!とても励みになりました!お目に入れて頂き光栄です!これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (2019年8月30日 16時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして!毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています! (2019年8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年8月12日 23時

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