兄の天敵、妹の想い人 ページ10
「やァ、久しぶり」
何年も姿を消していた彼の人が、私の前に姿を現した。
「だ、太宰さんっ!」
私は、太宰さんの元へ駆け寄る。
「Aちゃん。元気してた?」
「はい!…太宰さんこそ元気でしたか?」
「私の事心配していてくれたのかい?」
なんって、素敵なの!
優男風な笑みも、長身な所も!
やっぱりチビとは違うわぁ〜
目がどんどん潤いを戻していく!
「て、ここマフィアですけど。どうやってこれたんですか?セキュリティ厳重なはずですけど」
私の執務室に現れたので、コーヒーを出す。
「私、之でも元ポートマフィア最年少幹部だよ?このくらいのセキュリティくぐり抜けられなくてどうするの〜」
いや、頼もしい。
この人が今もマフィアに居たら、どうなってただろう。
1度だけ、太宰さんと任務に出たことがある。
的確すぎる指示。
敵が何処にいるか、瞬時に読み取る洞察力。
恐ろしかった。
まるで、この世の全てを知っているかのようで……
「Aちゃん、所であのチビは何処だい?」
「あ、あぁ。兄なら首領に呼び出されてます。もうそろそろ帰ってくるとこじゃないですかね?」
「そっかぁ。じゃあ、ここで待たせてもらおうかな」
「はい、どうぞ」
「Aちゃん。中也は最近如何?」
太宰さんが、重苦しく口を開いた。
あぁ…
「最近は全く使ってません。太宰さんいないから…」
「そうか…」
そこへ…
「A、任務入ったぞ……って、太宰じゃねェかっ!!!」
タイミング良く兄が入ってきた。
あーあ、めんどくさくなりそ〜
「お二人さん、ごゆっくり〜」
部屋を出た。
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作者名:蘇澳 | 作成日時:2018年4月7日 2時