今度こそ……兄妹の買い物弍 ページ13
「兄のおかげで元気になった!さ、買い物行こ!」
兄が、私を見つめたまま固まってしまった。
え?
「兄、どうしたの?兄?」
中々戻ってこない兄にいらっとし、兄の顔の前でぱちんっと手を叩いた。
「うおっ!何すンだよ」
「何って、兄がぼーっとしてるからでしょ、どうしたの?」
私が問うと、少し顔を赤くして「なんでもねェ」と言った。
「何なの…もう。着替えてくるから少し待ってて」
兄の行動に疑問を持ちながら、部屋に入り支度をする。
今日は黒を基調とした、ラインの入った薄手のワンピース。足元は赤いハイヒールにする事にした。
髪は下ろして、兄に貰ったハットを被って終わり。
「終わったか?…早くしろ」
部屋の外から兄の急かす声が聞こえる。
「今終わったとこ!」
そう答えて部屋から出た。
「今日、日差し強えから日傘持ってけよ」
「うん、分かった」
こういう、何気なく優しさを出してくるのが兄の悪いところだと思う!
これにやられた女の子、沢山いそう………
___________________
「兄は、何か買いたいものなんかないの?」
ある大型ショッピングモールへきて、色々と回っていく。
「んー、特にねェなァ…。つうか、お前が行きたいって言うからきたんだ」
「それもそうだけどさぁ……。あ!そうだ、兄に服を選んであげたかったの!こっち来て、兄!」
急にAが俺の腕に自分の腕を絡め、走っていく。
「ちょっ、待て!A!」
お転婆な奴だ
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蘇澳 | 作成日時:2018年4月7日 2時